働き方

若い求職者の可能性を広げる「介護職」との出会い

投稿日:2020年5月12日 / by

リクルートキャリア『就職shop』と『HELPMAN JAPAN』の意義深い取り組み

高齢化社会を迎える日本において介護サービスへの需要は高まり続けている。しかしサービスを提供する人材が慢性的に不足しており、大きな課題となっていると言っていいだろう。厚生労働省の推計では、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には約38万人の介護人材が不足すると言われている。

リクルートキャリアが運営する若者の就職支援サービス『就職Shop』は、同じく同社が展開する介護業界サポート事業『HELPMAN JAPAN』と協業し、介護業界への就業を促進するプロジェクトを2019年より開始。介護業界へのネガティブな誤解を解き、20代を中心とした求職者に、就職の選択肢の一つとして介護の仕事を提案している。

介護業界は幅広い知識や興味が活かせる場となる

『就職Shop』事業部長の中川竜宏(なかがわ・たつひろ)氏に詳しく話を聞いてみた。
就職Shopでは求職者ひとりひとりに希望の働き方はもちろん、これまでの人生経験や、場合によっては子どもの頃のエピソードまで踏み込んでお話を伺い、その人に合ったお仕事を提案しています。
介護の仕事については、人の役に立ちたい人、手に職を付けたいという人だけでなく、より高いスキルとポジションをめざすキャリア志向の方にもご紹介しています。今後確実にマーケットが広がるため、例えば新しい施設が開設する際のリーダー等、入社後のキャリアアップの可能性が大きい業界と言えるからです。
また、介護保険制度に基づく事業なので、安定を求める方にも魅力がある仕事です。賃金や残業に関しては、業界全体として改善している事実を、求人ごとの条件のご説明とあわせてお伝えしています

介護職への就職のよくある誤解 

『HELPMAN JAPAN』の尾股和華(おまた・かずはる)氏は、自身も福祉の現場で働いていた経験を踏まえて、こう話す。
介護の仕事は、お客様が希望する生活を叶えることが基本理念です。ご本人様やご家族様の希望をヒアリングし、それに基づいて計画を立てお客様を支援する仕事です。決められた仕事をするというよりは、自ら考えて提案していくことが求められます。そういう意味では、営業職など他の仕事に通じる部分も多いと思います。
今後は海外からの人材受け入れや、ITやAIの活用も進むことが見込まれるため、若い人材の柔軟性やアイディアがますます求められるようになると思います。働く方の知識や興味を幅広く活かせる仕事だと思います

自身の新しい可能性を開く就職の選択肢として

就職Shopでは、興味さえあれば応募の意思が固まっていない人でも介護現場の見学ができるという。

中川氏「現場を実際に見て、仕事のリアリティを知ってもらうためです。また、求職者に介護業界の実情を丁寧にお伝えできるように、就職Shopのスタッフも介護現場の見学に行かせていただいています。
私が初めて介護の現場に行ったときは真夏の暑い日。就職shopの面談では、普段アルバイトで冷房施設などもない劣悪な環境で熱中症になりそうな働き方をしている若者も見てきていたので、きちんと空調が効いた介護施設の職場環境は、それだけでも大変魅力的に見えました。当たり前ですが、介護される方の健康を損なわないようにしているので、空調も快適で施設内も清潔に保たれています。
そうした点だけみても、介護施設は若い求職者にとって健康的に安心して活躍できる働きやすい職場だと感じました。介護現場に足を運べば、このような小さな気づきがたくさんあり、同時に、自身のネガティブなイメージが誤解だったことに気づく機会にもなるのです

尾股氏「介護の現場に行くと、自信をもって楽しそうに働いている方々と出会います。介護の仕事は、正解がない仕事です。ひとりひとりのお客様のちがいはもちろんですが、同じお客様であったとしても一日一日、小さな変化があります。お客様へのよりよい支援を試行錯誤するなかで、細かい決断経験を積んでいくことが自信に繋がっているのだと思います

この取り組みにより介護業界へ就職した人数の伸長率は、プロジェクト開始から1年で7.5倍(前年同期比)に。また、入社者の離職率は2%以下になっており、他職種と比べても低い水準だ。
就職後のミスマッチをなくすために、求職中の面談を重視し、更に就職前後のサポートまできめ細かく行う就職Shopだからこその結果といえるかもしれない。

中川氏「初めて介護職の選択肢を提示されたとき、ほとんどの求職者の方は思ってもみなかった仕事だと驚かれます。でも、仕事の内容や実態を聞いて見て知って、自らが介護業界で働く意思を持ち、面接・内定と進んでいくときに、自分が想像していなかった仕事を選ぶことができて満足していると言ってくれます。
その証拠に、介護職を志望して内定まで進んだら、内定を辞退する人がほとんどいません。そこが他の職種と大きく違うところです

自分が思ってもみなかったところに活躍できる場を見出す、ということは多々ある。「若者の雇用の選択肢を増やし、より納得度の高い就職活動の支援をしていきたい」と話す中川氏の思いは、若者が自分自身の新しい可能性を見つける手助けをしてくれるだろう。

記事協力:就職Shop https://www.ss-shop.jp/


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