
「伸び続けなくては」という成長幻想にストップを
<変人・安田の境目コラム>
「世界が一時停止」しちゃった今、改めて考えてみるに…
ものがたくさんある。必要以上にあふれている。そういう生活に疑問を抱く人が、だんだん増えてきました。
必要なだけあればいい。ほどほどでいいんじゃないの。最低限あればいいよ。北欧ではもはやそれが主流です。いわゆるミニマリストという考え方。人間の欲望なんてキリがないから。満足することなんてないから。ほどほどにしよう。足ることを知ろう。豊かになったその先にたどり着いた、ちょっと達観した考えかた。
確かにそのとおりですよね。たくさんあればいいってもんじゃない。食べる量には限界があるし。食べ過ぎたら病気になるし。着るものも、住む家も、車も、家具も、ほどほどでいい。ものが多いと部屋が狭くなるし。片付けるのも大変だし。そもそも使わないし。
当たり前と言えば、当たり前なんですけど。増やすという行為には限界があります。食料も、衣類も、家具も、自動車も、家も、家電も、増やせばいいってものじゃない。
人間の限界や世界の限界は「ある」と認めてみる
そもそも人間ですよ。人間は増え続けるのでしょうか。いやあ、そんなことは絶対無理です。人間の数にだって必ず限界がくる。もうそこまできているかもしれません。人間の数にも、人間の欲望にも、必ず限界はあります。なくちゃいけない。でないと破裂しちゃいます。
破裂するのは地球なのか。それとも人間社会なのか。分かりませんけど。でも必ずどこかがパンクする。それだけは確かです。だからどこかでストップするのです。人間の数も。人間の欲望も。
そうなったら、経済だって限界がきます。考えてみたら不思議な話ですよね。毎年成長し続けなくちゃいけないなんて。そんな不自然なことがありましょうか。
会社は売り上げと利益を、伸ばし続けなくてはいけない。国家はGDPと人口を、増やし続けなくてはならない。そんなこと誰が決めたんですか。
