働き方

「伸び続けなくては」という成長幻想にストップを

投稿日:2020年6月8日 / by

<変人・安田の境目コラム>

「世界が一時停止」しちゃった今、改めて考えてみるに…

ものがたくさんある。必要以上にあふれている。そういう生活に疑問を抱く人が、だんだん増えてきました。

必要なだけあればいい。ほどほどでいいんじゃないの。最低限あればいいよ。北欧ではもはやそれが主流です。いわゆるミニマリストという考え方。人間の欲望なんてキリがないから。満足することなんてないから。ほどほどにしよう。足ることを知ろう。豊かになったその先にたどり着いた、ちょっと達観した考えかた。
売上を伸ばすという成長幻想
確かにそのとおりですよね。たくさんあればいいってもんじゃない。食べる量には限界があるし。食べ過ぎたら病気になるし。着るものも、住む家も、車も、家具も、ほどほどでいい。ものが多いと部屋が狭くなるし。片付けるのも大変だし。そもそも使わないし。

当たり前と言えば、当たり前なんですけど。増やすという行為には限界があります。食料も、衣類も、家具も、自動車も、家も、家電も、増やせばいいってものじゃない。

人間の限界や世界の限界は「ある」と認めてみる

そもそも人間ですよ。人間は増え続けるのでしょうか。いやあ、そんなことは絶対無理です。人間の数にだって必ず限界がくる。もうそこまできているかもしれません。人間の数にも、人間の欲望にも、必ず限界はあります。なくちゃいけない。でないと破裂しちゃいます。

破裂するのは地球なのか。それとも人間社会なのか。分かりませんけど。でも必ずどこかがパンクする。それだけは確かです。だからどこかでストップするのです。人間の数も。人間の欲望も。

そうなったら、経済だって限界がきます。考えてみたら不思議な話ですよね。毎年成長し続けなくちゃいけないなんて。そんな不自然なことがありましょうか。

会社は売り上げと利益を、伸ばし続けなくてはいけない。国家はGDPと人口を、増やし続けなくてはならない。そんなこと誰が決めたんですか。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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