働き方

会社が社員を雇わなくなる日が来るべき、なのか?

投稿日:2020年7月6日 / by

<変人・安田の境目コラム>

「会社が儲けるためのお金」がどこから来るかを考えると…

お金を払ってくれる顧客が増えれば、会社は潤います。お金を稼いでくれる社員が増えても、会社は潤います。

払ってくれるお客さんと稼いでくれる社員。どちらが会社にとって大事なのか。これは愚問です。どちらも大事に決まってる。お客さんと社員。どちらも大切。にも関わらず実際の扱いには、大きな差があります。
お客さん>社員
これが偽らざる姿ではないでしょうか。
せいぜい、お客さん=社員ではないでしょうか。これも建前であることが大多数だとは思いますが。
会社の進化
しかしながら、ここを逆転させる。
お客さん<社員
と明確に打ち出す。
そしてその通りに実行する。すると、どういうことが起こるでしょうか。

経営者の狙いはこうです。会社が社員を大切にすれば、社員はお客さんを大切にする。確かに理屈は通っています。会社が社員を大切にするから、社員は安心して顧客に向き合える。現場の人間は上司ではなく、「お客さん」に向き合うようになる。結果的にサービスが向上し、お客さんにも喜ばれる。売上もアップする。会社も儲かる。めでたし、めでたし。

しかし、そんなことは本当にありうるの、か?

残念ながら、これはかなりのレアケースです。実際にはこういう結果にはなりません。なぜなら社員の貢献度は人によって違うから。会社が社員を大事にしても、社員がもたらす利益には差がある。それに目をつぶっていると、できる社員は不満になる。だからきちんと評価する。すると社員は顧客ではなく、「評価者」の方を向くようになるのです。

私が至った結論。それは雇用を手放すこと。ここを変えない限り、会社の本質は変わらないのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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