会社勤めとフリーランスの差がなくなっていく
<変人・安田の境目コラム>
コロナでリモートワークというものに突入したら…
リモートワークで露呈したこと。それはふたつの人種が存在するという事実です。
指示管理しないと、パフォーマンスの下がる人と
指示管理しないほうが、パフォーマンスの上がる人。
この事実は企業経営者に、大きな決断を促すでしょう。それはふたつの経営資源の放棄。人を管理するためのオフィスと、人を管理するためのマネジメント。人は管理しないとサボる。集めて指示管理することによって、無駄なく効率良く仕事をする。それがこれまでの常識。その常識が根底から覆されたのです。
管理しなくてもサボらない人がいる。管理する以上にパフォーマンスが上がる。これは企業にとって、衝撃以外の何物でもありません。雷に打たれたような気づきだったでしょう。だったら何のために、高い交通費を払って通勤させているのだ。何のために、高い家賃を払ってオフィスを確保しているのだ。何のために、高い給料を払って管理職を雇っているのだ。
利益の最大化を目指すのが企業経営者の役割です。当然のことながら、彼らは決断するでしょう。要らないものをなくすことを。
経営者側も、社員側も、「わかってしまったこと」
通勤をなくす。オフィスをなくす。管理をなくす。管理職をなくす。莫大なコスト削減ができる。これをやらないわけがありません。ただしそのためには、人種の選別が必要となります。管理しなくても働く人材。その確保が生命線となるのです。
指示管理が必要なく、通勤も必要なく、勝手にパフォーマンスを上げる人材。ここが最も評価の高いゾーンとなります。ではどうやってその人材を確保するのか。
自分はひとりでも仕事ができると、分かってしまった優秀な人材。自分は管理されない方が働きやすいと、気がついてしまった優秀な人材。彼らを確保するために必要なこと。それは通勤させず、管理せず、結果だけを評価し、高い報酬を払うこと。するとどういうことが起こるのか。
もはやフリーランスになる必要がなくなるのです。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。