働き方

「働いてお金を稼ぐ」という常識が終わるかも

投稿日:2020年7月20日 / by

<変人・安田の境目コラム>

労働時間の対価としてお金を払う/もらう時代ではなく

給料を払って人を雇う。それは即ちその人の時間を買っているということです。雇われる側から見たら時間を売っているということ。

これまでの常識では、ライバルは同業者でした。出版社のライバルは出版社。でも今やライバルはスマホです。現代人には本を読む時間がないのです。
働いて稼ぐという常識の終わり
同業や競合という括りに、大きな意味はなくなりました。今やどこからでもライバルが現れてきます。たとえば採用のライバルは誰でしょうか。同業他社?業界を越えた他社?もはやそんなレベルではありません。本を読まなくなったように、もはや就職しなくなるかもしれません。いや、もしかしたら、働くことそのものがなくなるかもしれない。

たとえばプロスポーツ。たとえばコンサート。たとえば映画や遊園地。これらが採用のライバルになってしまう。ポストコロナはそういう時代なのです。
スポーツ観戦にお金を払ってもらう。それは即ちスポーツ観戦に、時間を使ってもらうということです。お金を払って、時間も使って、ショーや娯楽を楽しんでもらう。

仕事の場合はこうです。雇われる人はお金をもらい、その代わりに時間を提供し、言われた通りの作業をこなす。払うか、もらうか。この差はとても大きい。というか越えられない壁がある。というのがこれまでの常識。

その常識が変わってしまう。

人の「時間」をどれだけ獲れるか、集められるか

たとえばyoutubeで映画や娯楽を無料配信する。見る人はお金を払わない。その代わりに時間を使う。配信した人は広告で稼ぐ。ここでは映画を観ることが、仕事になっているのです。いや違うだろ!仕事をしたのは配信した人だ。そう感じる人は感覚が古いです。

自分の時間はお金になる。人はそれを自覚するようになるでしょう。なぜなら高値で買う人が現れるから。多くの時間を集めればお金はついてくる。それが常識になったとき、採用のライバルは誰になるのでしょう。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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