働き方

仕事で成功する奴は、パクリ方のうまい奴

投稿日:2020年8月17日 / by

<変人・安田の境目コラム>

誰かが考えたものじゃない完全オリジナル、なんてもう存在しない

私の仕事は、0から1を生み出すことです。まだない商品、まだない事業、まだない売り方を考えること。

だけどその99%はパクリです。誰かがつくった商品や、誰かが考えたアイデアのパクリ。でも決して悪気はないのです。パクることもアイデアなのです。言い訳がましいですけど。でもしょうがないんです。そういうものなんです。ビジネスとはパクリである。そう宣言させていただきます。
パクリビジネスのススメ
大事なのはパクリ方です。いいパクリ方をしなくちゃいけない。何をパクるのか。どうやってパクるのか。パクった後に何を加えるのか。たとえば業界を超えたパクリ。ケーキ屋さんでは当たり前だけど、不動産業では誰もやっていないこと。業界を超えたパクリは、イノベーションになるのです。

どうやってパクるかも大事です。たとえばライザップは、食事制限と筋トレの組み合わせ。これ自体は新しくも何ともない。いわばこれまでのジムのパクリ。言われた通りのものだけ食べ、言われた通りの筋トレをする。これで痩せない方がおかしい。そう、その通りです。でもここからが新しい。

パクって組み合わせる。そこにイノベーションのセンスが生きる

痩せなければ全額返金という売り方。有名人を使ったビフォーアフターのCM。ひとつひとつは前からあったアイデアです。それを組み合わせて売ったこと。それがライザップのイノベーション。いちばん大事なのはパクった後です。パクってどこにもっていくか。パクってどのように使うか。どのように組み合わせるか。そしてそこに何を加えるのか。

パクリとは閃きのタネです。何かをパクったことで何かが閃く。つまりアイデアマンとはパクリ上手な人。パクリをうまく組み合わせ、いい塩梅に味付けをした人。

パクリはいいことです。でもパクるだけでは意味がない。どうパクるのか、何のためにパクるのか。パクリのセンスは、生き方のセンスに直結するのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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