
人類の進化は情報力の進化(さてあなたは?)
<変人・安田の境目コラム>
情報を受け継ぎ、蓄積し、共有するから、人間は人間でいられる
人間は、ひとりでは何もできない生き物です。何もできないは言い過ぎだろう。と言いたくなるかもしれませんが、その差が激しすぎるってことです。
人間はひとりでは鉛筆一本つくることができない。よく言われるたとえです。でもその通りですよね。人は組織化してこそ、その真価を発揮するのです。
自給自足なんて、現実的には不可能です。いやいや俺はできるぞ!と主張する人もいるかもしれない。でもそんなの単なる幻想です。お米を育てたり、鶏を飼ったり、裁縫したり、木を切って家を立てたり。何だってひとりでできるぞ。という人も所詮ひとりではない。
なぜならそれらはすべて、祖先から受け継いだ知恵だから。どの植物が食べられるのか。お米を育てるにはどうしたらいいのか。ゼロから試してたら飢え死にします。そもそも家とは何ぞや。裁縫とは何ぞや。農耕とは何ぞや。養鶏とは何ぞや。すべては先祖の知恵なのです。
で、AIの時代になっても自分は人間でいられるか?と考えてみると…
人間は確かに頭がいいです。他の動物とは脳みそのできが違う。でもそこに情報をインストールしないと、ほとんど役に立たないのです。そう情報こそが組織力の源。先祖の情報や他人の知恵。それをどんどんインストールして、その一歩先を考える。それこそが個人の役割。すべては新領域の開拓のため。
人類全体で情報をストックし、人類全体で情報を共有し、それぞれの分野でその最先端を開拓する。どんどん情報の枠を広げていく。そのために人は割り振られている。
一体どちらが主なのでしょう。情報を操る人間でしょうか。それとも人間を操る情報でしょうか。人間のための情報蓄積なのか。情報蓄積のための人間なのか。脳みそというメモリーが、コンピュータのチップに置き換わり、AIが自ら情報域を広げていく。そのとき人間は何をするのでしょう。人の役割は終わるのでしょうか。
