人間はバカか利口か、それがビジネスの分かれ道
<変人・安田の境目コラム>
地球の生物のなかでは「アタマが良い方」だろう、けど…
人間は頭がいい。多くの人は間違った判断をしない。だから安くて便利なものが売れると考えてビジネスするのか。人間はおバカである。よく分からない基準で判断する。だから変なものが売れる。と考えてビジネスするのか。
どちらのポジションに立つかで、ビジネスモデルは正反対になります。
商品のつくり方も、集客のやり方も、販売方法も、ぜんぶ正反対。
その根本にある思想は、損か得か。好き嫌いか。必要か必要でないか。欲しいか欲しくないか。
人間は頭がいい。合理的に判断して行動する。と考える会社のビジネスは、『お得×必要=売れる』という図式で成り立っています。作るべきは必要な商品。お得感をアピールして、集客と販売に結びつけるビジネス。
人間はおバカである。感情に大きく左右される。と考える会社のビジネスは、『好き×欲しい=売れる』という図式で成り立っています。生み出すべきは欲しいという感情。好奇心という感情を刺激して、集客と販売に結びつける。
どうもニンゲンはおバカらしい、と考えた方がいいのかも
ちなみに私が考えるビジネスは、完全に後者に寄せています。人間とはおバカな生き物である。しょっちゅう愚かな行動をする。そこから発想をスタートします。なぜなら自分がそうだから。おバカだし、愚かだし、感情に流されるし、好奇心を抑えられない。そういう自分を日々実感しています。皆さんはどうですか。
人生でこれまで買ったもの。それをぜんぶ目の前に並べてみる。人生でこれまでやったこと。それをぜんぶ映像にして見てみる。無駄な買い物などしたことがない。無駄な時間など使ったことがない。そんな人間がいましょうか。きっと7〜8割はムダなもの。でも嘆く必要などありません。なぜならそれが人間だから。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。