
なぜお盆に墓参り?「習慣の理由」を考えてますか
<変人・安田の境目コラム>
国の行事でも、会社の仕事の進め方でも“習わし”には必ず理由があるはず
私はお盆になるたびに、とても不思議な気分になります。8月13日~16日の期間に、先祖の墓参りをする。それが義務であるかのように。
しきたり。というヤツでしょうか。お墓を綺麗にし、ご先祖様に感謝する。もちろん、それ自体を否定しているわけではありません。私が不思議なのはそのやり方です。
なぜに毎年同じ日に、先祖の墓参りをする必要があるのか。
それはお盆だからだ。この不心得ものめ。そう答える人の何と多いことか。先祖に感謝すること。これは私も大賛成です。ではどうやって感謝するのか。何のために感謝するのか。なぜお盆に感謝するのか。そんなことは考える必要もない。お盆に墓参りをするのは当たり前だ。先祖代々そうしてきたのだ。お前はそれを破るのか。なんたる不届きものなのだ。
まあまあ。怒る前に聞いてください。そもそもお盆は 7月半ばの行事だったのです。明治になるまでは。
その“習わし”の理由は今でも実情に合っているのか
だけど7月半ばでは、農業の繁忙期と重なる。だから8月半ばにズラそう。となったわけです。素晴らしいことです。もしも繁忙期にやったら、大変なことになります。下手をすると、収穫に影響するかもしれない。つまり大変な苦労をするわけです。子孫がそんな目にあうことを、先祖は望みましょうか。私が先祖ならこう言いますね。いつでもいいから、無理のない時に墓参りしてね、と。
国民全員がお盆に休み、とんでもない渋滞に巻き込まれ、8月13~16日にお墓参りする。
この現状を先祖はどう思っているのでしょう。なぜこの日にこだわるのか。いや、そもそもなぜ、お墓参りにこだわるのか。なぜお墓をつくる必要があるのか。怒らないでちゃんと考えてみましょうよ。
※編集部注:お盆の時期の変更は明治6年に行われた「太陰暦から太陽暦への切り替え」によって「月」が変わったことに由来しています。
