働き方

なぜお盆に墓参り?「習慣の理由」を考えてますか

投稿日:2020年9月7日 / by

<変人・安田の境目コラム>

国の行事でも、会社の仕事の進め方でも“習わし”には必ず理由があるはず

私はお盆になるたびに、とても不思議な気分になります。8月13日~16日の期間に、先祖の墓参りをする。それが義務であるかのように。

しきたり。というヤツでしょうか。お墓を綺麗にし、ご先祖様に感謝する。もちろん、それ自体を否定しているわけではありません。私が不思議なのはそのやり方です。
習慣をなぜ?と考える
なぜに毎年同じ日に、先祖の墓参りをする必要があるのか。

それはお盆だからだ。この不心得ものめ。そう答える人の何と多いことか。先祖に感謝すること。これは私も大賛成です。ではどうやって感謝するのか。何のために感謝するのか。なぜお盆に感謝するのか。そんなことは考える必要もない。お盆に墓参りをするのは当たり前だ。先祖代々そうしてきたのだ。お前はそれを破るのか。なんたる不届きものなのだ。

まあまあ。怒る前に聞いてください。そもそもお盆は 7月半ばの行事だったのです。明治になるまでは。

その“習わし”の理由は今でも実情に合っているのか

だけど7月半ばでは、農業の繁忙期と重なる。だから8月半ばにズラそう。となったわけです。素晴らしいことです。もしも繁忙期にやったら、大変なことになります。下手をすると、収穫に影響するかもしれない。つまり大変な苦労をするわけです。子孫がそんな目にあうことを、先祖は望みましょうか。私が先祖ならこう言いますね。いつでもいいから、無理のない時に墓参りしてね、と。

国民全員がお盆に休み、とんでもない渋滞に巻き込まれ、8月13~16日にお墓参りする。

この現状を先祖はどう思っているのでしょう。なぜこの日にこだわるのか。いや、そもそもなぜ、お墓参りにこだわるのか。なぜお墓をつくる必要があるのか。怒らないでちゃんと考えてみましょうよ。

※編集部注:お盆の時期の変更は明治6年に行われた「太陰暦から太陽暦への切り替え」によって「月」が変わったことに由来しています。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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