働き方

成功するマーケティングのカギは「妄想と不安」

投稿日:2020年9月28日 / by

<変人・安田の境目コラム>

妄想を抱かない人はいない。不安に駆られない人はいない

人間は妄想を買う動物である。と私は思っています。
旅行に行くのも、髪を切るのも、保険に入るのも、すべては妄想のため。

旅先ではどんな体験ができるのか。新たな出会いがあるかもしれない。などと妄想する。
髪型を変えれば何か起こるかも。カッコいいですね、なんて言われるかも。などと妄想する。
保険に入ってるから、何かあっても大丈夫。パパ、私も大学に行けたよ。などと娘に感謝される未来を妄想する。
不安と妄想…マーケティングの心理学
いい妄想があれば、もちろんその逆もあるわけです。こんな未来は訪れて欲しくない!という最悪な妄想。ずっと彼女ができないままかも。自分の死後、家族が路頭に迷うかも。志望校に落ちて、最悪な人生を歩むかも。会社をクビになって、生活に行き詰まるかも。

どちらかと言うと人間は、悪い未来を妄想しがちです。こうなってしまったらどうしよう。勝手にそんな妄想をして不安になる。ここで登場するのが、不安解消ビジネスです。

すべてのビジネスは不安と妄想のために存在する!?

あなたのこんな不安を解消します。これさえあればもう安心。その売り方はビフォーアフター。受験に失敗して落ち込む息子と、志望校に受かって大喜びの息子。学習塾はこのビフォーアフターで、受験生を持つ親にアプローチします。

家族が路頭に迷う未来と、幸せに生きている未来。生命保険はこのビフォーアフターで、新婚さんや子供ができた家庭にアプローチします。

実はどんな商品も、どんなサービスも同じなのです。自動車を売るのも、コンサルティングを売るのも、根本にあるのは課題や不安の解消。それによってもたらされる素晴らしい未来。
子供がおもちゃを欲しがるのも妄想。マニアが古い茶碗を欲しがるのも妄想。これを手に入れた自分がどんなにハッピーか。それを妄想してウフフと微笑むのです。

いかに不安を解消し、いかに素敵な未来を妄想させるのか。そこがマーケターの腕の見せどころ。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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