
成功するマーケティングのカギは「妄想と不安」
<変人・安田の境目コラム>
妄想を抱かない人はいない。不安に駆られない人はいない
人間は妄想を買う動物である。と私は思っています。
旅行に行くのも、髪を切るのも、保険に入るのも、すべては妄想のため。
旅先ではどんな体験ができるのか。新たな出会いがあるかもしれない。などと妄想する。
髪型を変えれば何か起こるかも。カッコいいですね、なんて言われるかも。などと妄想する。
保険に入ってるから、何かあっても大丈夫。パパ、私も大学に行けたよ。などと娘に感謝される未来を妄想する。
いい妄想があれば、もちろんその逆もあるわけです。こんな未来は訪れて欲しくない!という最悪な妄想。ずっと彼女ができないままかも。自分の死後、家族が路頭に迷うかも。志望校に落ちて、最悪な人生を歩むかも。会社をクビになって、生活に行き詰まるかも。
どちらかと言うと人間は、悪い未来を妄想しがちです。こうなってしまったらどうしよう。勝手にそんな妄想をして不安になる。ここで登場するのが、不安解消ビジネスです。
すべてのビジネスは不安と妄想のために存在する!?
あなたのこんな不安を解消します。これさえあればもう安心。その売り方はビフォーアフター。受験に失敗して落ち込む息子と、志望校に受かって大喜びの息子。学習塾はこのビフォーアフターで、受験生を持つ親にアプローチします。
家族が路頭に迷う未来と、幸せに生きている未来。生命保険はこのビフォーアフターで、新婚さんや子供ができた家庭にアプローチします。
実はどんな商品も、どんなサービスも同じなのです。自動車を売るのも、コンサルティングを売るのも、根本にあるのは課題や不安の解消。それによってもたらされる素晴らしい未来。
子供がおもちゃを欲しがるのも妄想。マニアが古い茶碗を欲しがるのも妄想。これを手に入れた自分がどんなにハッピーか。それを妄想してウフフと微笑むのです。
いかに不安を解消し、いかに素敵な未来を妄想させるのか。そこがマーケターの腕の見せどころ。
