
近眼メガネと老眼メガネの間のマーケティング
<変人・安田の境目コラム>
どうして、メガネには近眼用と老眼用しかなかったか
最初の驚きは確か、9年前だったと思います。生まれ初めて老眼鏡をつくったとき。まだまだ老眼じゃないぞと何年も踏ん張っていたのですが、さすがに本を読むのが辛くなりました。そこで訪れたのがJINSです。
自己破産直後でお金がなかったので、安物でいいやと初めて訪れた格安店。ここで衝撃を受けました。ちゃんと視力検査してくれる。フレームも選べる。レンズまで付いて5000円。しかも1時間で完成する。どうせ安物だろうとたかを括っていたのですが、めちゃくちゃ使いやすい。しかも安くて早い。
あまりの嬉しさに、近視鏡までつくりました。レーシック手術で回復した視力が、ほんのちょっとだけ落ちてきたのです。メガネをかけるほどではありません。だけど5000円ならいいか。そんな気持ちでつくったメガネ。これがまた快適なのです。
時は流れ、最近訪れたのはZoffです。メガネを持ち歩くのが億劫になり、もうひとセット老眼鏡と近視鏡をつくろうと思ったわけです(安さゆえですね)。9年も経つと、激安メガネはさらに進歩していました。フレームの種類も増え、ブルーライトカットまで付いて、価格は5000円のまま。
ここで出会ったのが中距離メガネです。それまでパソコンは裸眼で操作していました。老眼鏡も近視鏡もピントが合わないからです。しかし裸眼では微妙に辛い。乱視もあって左目がちょっとぼやけるのです。
世の中は二極だけでない。「中間」に新マーケットがある!?
パソコン専用の中距離メガネ。なるほどこれは素晴らしいと思い、早速購入しました。左目だけをほんの少し矯正したメガネ。これがなんとも快適なのです。よし。次はテレビ用をつくるか。などと考えていて気がつきました。
中距離って無限にあるんですよね。
アナログとデジタルの間にも、便利と不便の間にも、マーケットは無限にあるということ。
そこに気づかせてくれた出来事でした。
