働き方

近眼メガネと老眼メガネの間のマーケティング

投稿日:2020年10月5日 / by

<変人・安田の境目コラム>

どうして、メガネには近眼用と老眼用しかなかったか

最初の驚きは確か、9年前だったと思います。生まれ初めて老眼鏡をつくったとき。まだまだ老眼じゃないぞと何年も踏ん張っていたのですが、さすがに本を読むのが辛くなりました。そこで訪れたのがJINSです。
中距離メガネのマーケティング発想
自己破産直後でお金がなかったので、安物でいいやと初めて訪れた格安店。ここで衝撃を受けました。ちゃんと視力検査してくれる。フレームも選べる。レンズまで付いて5000円。しかも1時間で完成する。どうせ安物だろうとたかを括っていたのですが、めちゃくちゃ使いやすい。しかも安くて早い。

あまりの嬉しさに、近視鏡までつくりました。レーシック手術で回復した視力が、ほんのちょっとだけ落ちてきたのです。メガネをかけるほどではありません。だけど5000円ならいいか。そんな気持ちでつくったメガネ。これがまた快適なのです。

時は流れ、最近訪れたのはZoffです。メガネを持ち歩くのが億劫になり、もうひとセット老眼鏡と近視鏡をつくろうと思ったわけです(安さゆえですね)。9年も経つと、激安メガネはさらに進歩していました。フレームの種類も増え、ブルーライトカットまで付いて、価格は5000円のまま。

ここで出会ったのが中距離メガネです。それまでパソコンは裸眼で操作していました。老眼鏡も近視鏡もピントが合わないからです。しかし裸眼では微妙に辛い。乱視もあって左目がちょっとぼやけるのです。

世の中は二極だけでない。「中間」に新マーケットがある!?

パソコン専用の中距離メガネ。なるほどこれは素晴らしいと思い、早速購入しました。左目だけをほんの少し矯正したメガネ。これがなんとも快適なのです。よし。次はテレビ用をつくるか。などと考えていて気がつきました。

中距離って無限にあるんですよね。

アナログとデジタルの間にも、便利と不便の間にも、マーケットは無限にあるということ。
そこに気づかせてくれた出来事でした。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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