リモートワークの「リモート」の本質を考えてみる
<変人・安田の境目コラム>
リモートの働き方が標準になりつつあるが、「ただ出社しない」のがリモートなのか
昔のリモコンには、コードがついてましたよね。いわゆる有線のリモコン。無線の場合はラジコンと呼んでいた気がします。
ラジコンカーやラジコン飛行機。それはもう子供のおもちゃではなく、立派な大人の趣味でした。今ではラジコンのヘリコプターが、たった2~3000円で買えます。
さらにはドローン。もはやラジコンではない。ラジコンとは“ラジオコントロール”の略だそうです。つまりラジオで、遠隔操作してるということ。
ドローンはもちろん無線ですが、もはや遠隔操作の域を超えています。操作すら必要ない。それでもこちらの意図通りに動いてくれる。いわば自立したマシーン。
リモコンとは、その名の通りリモートコントロールの略です。リモコンという単語から思い浮かぶのは、テレビのリモコンではないでしょうか。つまり無線でのチャンネル操作ですね。
でもこれは本当のリモートではない。リモートの本質は、無線でもオンラインでもありません。リモートの本質は操作しないこと。
物理的に離れていて、細かく操作しないにも関わらず、意図した動きをしてくれること。まさにドローンでしょうか。
リモートは「遠隔」じゃない。「自立させること」が本質
有線のリモコンが、無線のラジコンになる。もちろんこれはすごいことです。しかし根本的な進化ではありません。情報の伝達方法が変わっただけ。
ラジコンがドローンに変わる。一見どこが違うのかよく分りませんが、ここには異次元の進化があるのです。
自動的にバランスをとる。すなわち自立して飛行している。目的地や、やってほしいことなど、情報をインプットしておけば、自動的にその役割を果たしてくれる。これぞ本物のリモートです。
目的だけをしっかりグリップしておく。どうやってバランスを取るか、どのコースを選ぶか。それは自立した本人に任せてしまう。ラジコン(無線)ではなくドローン(自立)。
これがリモートワークの本質なのです。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。