人は何にお金を払うの?というマネタイズの話
<変人・安田の境目コラム>
コレにはお金は払わないけど、コレには払う、の違いは何?
検索機能が売りなのに、検索ではお金を取らないGoogle。
広告が収益源なのに、広告を見られなくするYouTube。
マネタイズとは、本当に奥深いものです。
たとえば静かなムードが売りの喫茶店。読書や考え事には最高の場所です。でも静かなムードには課金しない。あくまでもコーヒー代として払ってもらう。
たとえば綺麗なお姉さんが、チヤホヤしてくれる高級クラブ。でもチヤホヤには課金しない。あくまでお酒代として払ってもらう。
人間とはとても複雑で、そしてとても面倒な生き物です。静かな雰囲気やチヤホヤを求めながら、それに対してお金を払いたがらない。いや、そんなことはない。私だったら静かな雰囲気にお金を払うぞ。そういう方もいらっしゃいます。
だからこういうビジネスも存在します。場所代が有料で、飲み物は無料。まったく同じ価値提供なのに、マネタイズポイントが違う。そこがビジネスの面白いところ。
ビジネスでお金儲けするなら、「マネタイズ」を工夫しなくては
人間というのは慣れの動物です。検索は無料である。 動画視聴は無料である。いったんこう刷り込まれると、そこに課金することが難しい。
最近では送料問題がありました。アマゾンが無料にしてしまったので、送料にお金を払いたくない人が、ものすごく増えてしまったのです。考えてみたら酷い話ですよね。重い荷物を代わりに運んでもらう。しかも頼んだ翌日に時間指定までして。これでタダなんて言われたら、運んでる人はたまったものではありません。
しかし振り返ってみれば、私もあなたも同じです。知らず知らずのうちに、タダが当たり前になってしまう。たとえば信号とか。横断歩道とか。
別に私は説教くさいことを言いたいのではありません。感謝しろとか言いたいわけじゃない。私が言いたいことはただひとつ。マネタイズを工夫しろってことです。客が求めるものを提供して対価を受けとる。人間相手の商いはそんなに単純ではないのです。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。