働き方

「嫌われない事」と「好かれる事」は全く違う

投稿日:2020年12月28日 / by

<変人・安田の境目コラム>

人間関係も、ビジネスもそこがわかってないとダメになる

好きの反対は無視・無関心である。先輩経営者にこの話を聞いたとき、私は思わず唸ってしまいました。最も重要なのは相手に関心を持つこと。確かにその通りですよね。

何も悪いことはしていない。やるべきことはやっている。だから嫌われるはずがない。別れる理由など何もない。そうやって崩壊してゆく夫婦のいかに多いことか。そうやってやめていく社員のいかに多いことか。
好かれる理由、嫌われる理由
夫婦、社員、顧客。関係性は違えど、相手が人間であることは同じ。まず相手に関心を持つこと。でないと会社も家庭も崩壊してしまいます。

では関心があればいいのか。いやいや。そんなに甘くはない。夫婦でも、社員でも、関係を持ち続けるには努力が必要なのです。そう。好きになってもらうための努力。“釣った魚に餌はいらない”などと言いますが、こんな言葉はもはや賞味期限切れです。今や釣った魚にこそ餌が、いやいや愛情が、必要なのです。

好きでい続けてもらうための努力。長年連れ添う妻に対しても、長年働いてくれる社員に対しても、決してそれを怠ってはならない。家庭も会社も努力なくして成り立たないのです。

これは「経営論」でもあり、マーケティングの「ブランド論」でもある

ましてや顧客。妻でもない、社員でもない、赤の他人。その人たちから選んでもらう。そこに努力が必要ないわけがない。そうは思いませんか。でも多くの経営者はそこを考えません。損得に訴えることばかり。こんなにお得ですよ。こんなに便利ですよ。そんな言葉は心に響かないのです。

こんなに稼いでいるじゃないか。お前の好きにさせてやってるじゃないか。こんなに給料を払っているじゃないか。休みだってこんなに多いじゃないか。そう叫んだところで相手には響かない。理屈ではないのです。

人間は確かに頭がいい。でも結局は感情が優先する。そういう生き物なのですよ。必要なのは好かれるための努力。それなくして人間社会での成功はないのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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