
「嫌われない事」と「好かれる事」は全く違う
<変人・安田の境目コラム>
人間関係も、ビジネスもそこがわかってないとダメになる
好きの反対は無視・無関心である。先輩経営者にこの話を聞いたとき、私は思わず唸ってしまいました。最も重要なのは相手に関心を持つこと。確かにその通りですよね。
何も悪いことはしていない。やるべきことはやっている。だから嫌われるはずがない。別れる理由など何もない。そうやって崩壊してゆく夫婦のいかに多いことか。そうやってやめていく社員のいかに多いことか。
夫婦、社員、顧客。関係性は違えど、相手が人間であることは同じ。まず相手に関心を持つこと。でないと会社も家庭も崩壊してしまいます。
では関心があればいいのか。いやいや。そんなに甘くはない。夫婦でも、社員でも、関係を持ち続けるには努力が必要なのです。そう。好きになってもらうための努力。“釣った魚に餌はいらない”などと言いますが、こんな言葉はもはや賞味期限切れです。今や釣った魚にこそ餌が、いやいや愛情が、必要なのです。
好きでい続けてもらうための努力。長年連れ添う妻に対しても、長年働いてくれる社員に対しても、決してそれを怠ってはならない。家庭も会社も努力なくして成り立たないのです。
これは「経営論」でもあり、マーケティングの「ブランド論」でもある
ましてや顧客。妻でもない、社員でもない、赤の他人。その人たちから選んでもらう。そこに努力が必要ないわけがない。そうは思いませんか。でも多くの経営者はそこを考えません。損得に訴えることばかり。こんなにお得ですよ。こんなに便利ですよ。そんな言葉は心に響かないのです。
こんなに稼いでいるじゃないか。お前の好きにさせてやってるじゃないか。こんなに給料を払っているじゃないか。休みだってこんなに多いじゃないか。そう叫んだところで相手には響かない。理屈ではないのです。
人間は確かに頭がいい。でも結局は感情が優先する。そういう生き物なのですよ。必要なのは好かれるための努力。それなくして人間社会での成功はないのです。
