
もっと稼げよ!と社員に言いたい経営者の愚痴
<変人・安田の境目コラム>
社員よ!やることやらないで文句ばかり言うな、という気持ち?
私には経営者の気持ちがよく分かります。ずっと経営者をやってきたからです。ブラックだとか、ピンハネだとか、パワハラだとか。ふざけるなと言いたくなります。ピンハネどころか赤字だ!ブラックとか言う前に、せめて給料分は働け!自分でやらないから詰められるんだ!何がパワハラだ!
そう言いたい気持ちは、とてもよく分かります。でも仕方ないんですよね。それが人を雇うということの代償だから。
赤字でも給料は払わなくてはならない。ブラックと言われたら人が来なくなる。ちょっとしたことでも、パワハラだと訴えられてしまう。
雇用とはそういうものなのです。
全員が黒字社員で優秀な人ばかり。ブラックと言われるほど働かせる必要がなく、できない人を詰める必要もない。そんな会社の社長だったら、そりゃあ私だってやりたいですよ。でもそんなのは不可能なのです。
育つまでは赤字社員だし、それを黒字社員に背負わせるしかない。できる人にたくさん働いてもらうしかない。できない人はプレッシャーをかけるしかない。黒字社員はピンハネと言うかもしれない。でもしょうがない。どうやって赤字社員に給料を払うんだ。お前だって赤字の時があったじゃないか。この恩知らずめ!育ててやったのに辞めるのか!
社員からも言い返したいことはたくさんあるわけだけど…
社員には社員の言い分があります。給料を払って育てるのは当たり前。スキルアップしたら辞めるのは自由。それがキャリアステップというものだから。
まあその通りなんですけど。それじゃあ会社がもたないんですよ。だったらどうする?ふざけるな!と怒鳴るのか。もっと働け!と詰めるのか。辞めることは許さん!と脅すのか。そんなことをしても無意味です。
やるべきことは簡単です。赤字社員をなくすこと。そのためには赤字社員を採らないこと。給料を払って人を育てることをやめること。つまり雇用そのものを見直すこと。どう考えたってここに行き着くのです。
