働き方

もっと稼げよ!と社員に言いたい経営者の愚痴

投稿日:2021年2月1日 / by

<変人・安田の境目コラム>

社員よ!やることやらないで文句ばかり言うな、という気持ち?

私には経営者の気持ちがよく分かります。ずっと経営者をやってきたからです。ブラックだとか、ピンハネだとか、パワハラだとか。ふざけるなと言いたくなります。ピンハネどころか赤字だ!ブラックとか言う前に、せめて給料分は働け!自分でやらないから詰められるんだ!何がパワハラだ!

そう言いたい気持ちは、とてもよく分かります。でも仕方ないんですよね。それが人を雇うということの代償だから。
経営者の悩みと解決法
赤字でも給料は払わなくてはならない。ブラックと言われたら人が来なくなる。ちょっとしたことでも、パワハラだと訴えられてしまう。
雇用とはそういうものなのです。

全員が黒字社員で優秀な人ばかり。ブラックと言われるほど働かせる必要がなく、できない人を詰める必要もない。そんな会社の社長だったら、そりゃあ私だってやりたいですよ。でもそんなのは不可能なのです。

育つまでは赤字社員だし、それを黒字社員に背負わせるしかない。できる人にたくさん働いてもらうしかない。できない人はプレッシャーをかけるしかない。黒字社員はピンハネと言うかもしれない。でもしょうがない。どうやって赤字社員に給料を払うんだ。お前だって赤字の時があったじゃないか。この恩知らずめ!育ててやったのに辞めるのか!

社員からも言い返したいことはたくさんあるわけだけど…

社員には社員の言い分があります。給料を払って育てるのは当たり前。スキルアップしたら辞めるのは自由。それがキャリアステップというものだから。

まあその通りなんですけど。それじゃあ会社がもたないんですよ。だったらどうする?ふざけるな!と怒鳴るのか。もっと働け!と詰めるのか。辞めることは許さん!と脅すのか。そんなことをしても無意味です。

やるべきことは簡単です。赤字社員をなくすこと。そのためには赤字社員を採らないこと。給料を払って人を育てることをやめること。つまり雇用そのものを見直すこと。どう考えたってここに行き着くのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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