自分に勝つ、自分に負けない「5割の壁」ルール
<変人・安田の境目コラム>
自分に負けないのは、なかなか大変。それができれば仕事でも負けない?
私は数年前に酒を減らす決意をしました。まずは土曜日に酒を抜く。週1日はなんとか我慢することができました。我慢したぶん日曜日の酒がとても美味しい。
次に土日の禁酒にチャレンジしました。これは簡単ではありませんでした。2日我慢を続けるのはかなりキツイ。楽しみにしていた日曜に飲んではならないのです。
2日連続で禁酒するために、私は置き換え作戦を考案しました。酒を飲む代わりにお茶を飲んで楽しむ。欲しかった萩焼の茶碗を買い、高価なお茶受け菓子も取り寄せました。それでも最初は大変でした。
何しろ2日連続で禁酒なんてやったことがない。ところが半年もすると慣れていきました。たぶんアルコール依存から解放されたのでしょう。こうやって年間100日を超える禁酒に成功したのです。
次の目標は5割。週2日ができたのだから3.5日もできるだろう。そうたかを括っていました。しかし5割は難しい。私は自分でつくった目標を、久しぶりに未達で終えてしまいました。
5割を死守すれば必ず勝てる。そのためのポイントはたった二つ
じつは5割には大きな壁があるのです。収入やスタイルの格差もこの壁が原因です。
たとえば100キロを超えてからのダイエット。どん底まで貧乏になってからの大逆転。これはとてつもなく難しいのです。現実の社会を観察すれば一目瞭然です。スタイルがいい人はずっとスタイルがいい。貧乏な人はずっと貧乏。彼らに共通するものこそが5割の壁なのです。
2日酒が抜けるのだから3.5日でも抜けるだろう。そこには落とし穴がありました。3.5日などというものは存在しないからです。あるのは3日と4日だけ。4日抜かないと5割は超えないのです。
3日と4日を交互に繰り返せばいいんでしょ。この発想では絶対に壁を超えることはできません。気がついたら負けが込んでくるのです。5割を超える方法はひとつしかない。それは先勝と連敗阻止です。まず禁酒する。飲んだ次の日は飲まない。まずリードし、そのリードを守り続けること。壁を越える方法はこれしかないのです。
お金もスタイルも同じです。消費した以上に食べないこと。稼いだ以上に使わないこと。ほんの少しのリードを保ち続けることが楽に豊かに生きるコツなのです。
あとでまとめて運動すればいい。使った後に稼げばいい。
それができないことは、夏休みの宿題が証明しています。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。