働き方

「理想的な社会」で自分はどんな役割を果たせるか

投稿日:2021年4月12日 / by

<変人・安田の境目コラム>

まず、「理想的な社会」とはどんな社会かと考えてみる

人の数だけ役割がある。それが理想の社会だと、私は言い続けています。でも言うは易し。行うは難しなのです。

個々人が好きなことをやって、社会の調和は保てるのか。誰もやりたがらない仕事はどうするのか。生産性は下がるに違いない。一体誰が責任を取るのだ。問題は山積みです。

社会における自分の役割
でも今の社会だって、問題は山積みじゃないですか。重要なのは問題をなくすことではありません。どの問題に取り組むのか。それをちゃんと考えること。目を逸らさず、先送りせず、人任せにもせず、しっかり考える。

人類にとって最も効率の良い社会。それが理想の社会でしょうか。
与えられた役割をこなしていれば、全体としてきちんと機能する社会。それが理想の社会でしょうか。

もちろんYESと答える人もいるでしょう。何しろこれは正解のない問いなのです。一人ひとりが考えればいい。私にとっての理想の社会は何なのかと。

豊かな社会 = 誰もが同じ生活をする社会、ではない

私も考えました。理想の社会とは何なのか。

まず衣食住と医療、そして学ぶ機会が、すべての人に約束された社会。これは多くの人が望む社会ではないでしょうか。問題はその次です。最低限の生活が約束された上で、出来るだけ豊かな社会であること。ここで意見が分かれるのです。

それは物質的に豊かな社会なのか。それとも精神的に豊かな社会なのか。やった分だけリターンがある社会なのか。それとも格差のない社会なのか。

格差是正に重きを置く人は多いです。でも私はそうではありません。そもそも人は同じではないから。みんなが同じ生活をしても、みんなが幸せだとは思えないから。

私が考えた豊かな社会。それが「人の数だけ役割がある社会」です。生きていくのに困らないなら、あとはそれぞれ好きなことをやればいい。

だったら何もやりたくない。そう考える人もいるでしょう。でもそれでいいんです。なぜなら、それは「何もやらない」という役割だから。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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