働き方

『星の王子さま』を読んで思考停止する人がいる

投稿日:2021年9月27日 / by

<変人・安田の境目コラム>

あの名作を「読めない」「意味が理解できない」という人が現れてきた?!

星の王子さまという物語をご存知でしょうか。私の大好きなお話です。二度読みすることなどない私ですが、この本だけは何度も読み返しました。そして読むたびに深く引き込まれました。とくにキツネとのエピソード。どうやったら友達になれるのかという話。つまり友達とは何なのかという話。

あまりにも良くできた本なので、いろんな人にこの本を薦めてきました。人生で迷っている人。答えが見えなくなっている人。そういう人たちが読むべき本だと思うからです。

しかし、驚いたことに、星の王子さまが「読めない」という人が、現れ出したのです。しかもかなりの割合で

星の王子様を読めない人たち
ヘビに飲まれたゾウの話とか。ヒツジの代わりに箱を描く話とか。意味がわからない眠くなってしまう。彼らは決まってそう言うのです。

星の王子さまにはいろんな王様が出てきます。お金を数える王様や、権力を誇示する王様。王様は人間が大事だと思っているものの象徴なのです。

王様との対話で、王子様は「なぜ」を繰り返します。お金、土地、権力、仕事って一体何なのか。なぜそんなものを大事にするのか。その定義をどんどん抽象化していくのです。なぜ勉強しなくちゃいけないのか。なぜ働かなくちゃいけないのか。

そんなことを考えるのは社会不適合者。そんなことを考える暇があったら勉強する。余計なことを考える前にまず仕事をする。こう考えるのがまともな社会人。私たちの思考と常識は、このように設定されているのです。

それは「そもそもの問題」が考えられず眠ってしまう人たち

だけど納得いかない人もいます。仕事って何だ?勉強って何だ?なんで勉強しなくちゃいけないの?なんで働かなくちゃいけないの?疑問を素通りできない困った人たち。彼らは勝手に問題をつくり出す。しかも答えのない問題。考えること自体に意味のない問題。星の王子さまを書いたのは、きっとこういう人なのでしょう。

この本は読者を2分割します。書いてあることに心から頷く人たちと、意味がわからず眠くなる人たちに。

※根源的で抽象的な問いができない人の「星の王子さま現象」について、安田氏がこちらの動画で詳しく語っています。よろしかったら併せてご覧ください。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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