働き方

オンライン営業で成果をあげる方法は、二極化する

投稿日:2021年10月4日 / by

<変人・安田の境目コラム>

たとえコロナが終わっても、オンライン化の波はもう元には戻らない

時代はオンライン。ショッピングも、研修も、旅行だってオンラインの時代。その中で私がいちばん興味深いもの。それがオンライン営業です。

営業を語る有名なエピソードがあります。それはエスキモーに冷蔵庫を売る話。寒い地域では冷蔵庫なんて必要ない。この条件でどうやって冷蔵庫を売るのか。必要ないものでも売る。
俺にかかれば何でも売れる。それが営業力なのだという時代。でも今は情報化社会の真っ只中です。昔のような押し売り営業は通用しません。

オンライン営業を成約させるコツ
とはいえ昔ながらの営業スタイルも残ってます。たとえば飲み営業とか。たとえばゴルフ営業とか。一緒に食事をし、一緒にお酒を飲み、一緒にゴルフすることによって、どんどん仲良くなっていく営業スタイル。

だけどオンラインになるとこれが難しい。

オンライン時代の営業は、おそらく二極化していくでしょう。ひとつは顕在顧客が対象の営業。もうひとつは潜在顧客が対象の営業。

この商品について詳しく知りたい、という顕在顧客の明確なニーズ。ここに対して必要なのは、簡潔で分かりやすいストーリーです。10分あれば不安を解消し、顧客の購買意欲を高められる。そういうストーリーを企画する力。つまり映画監督のようなスキル。

一方まだ欲しいものが見つかっていない、潜在顧客へのアプローチ。ここに対しては従来のような、関係性を構築する取り組みが必要です。通常のオンライン・セミナーでは関係性の構築までは難しいでしょう。

買うつもりがない人に「欲しいのはこれだ」と思わせるスキルは…

そこで登場するのがオンラインツアーのような、じっくりと時間をかけて関係性を構築する取り組みです。実際のツアーのように、いろんな場所に行き、いろんな体験を通じて、関係性を構築していく。お産物店であれこれ買いたくなるように、巧みに啓蒙していく。つまり優秀なツアーガイドのようなスキルが必要なのです。

有能な映画監督のスキルと、優秀なツアーガイドのスキル。これが次世代オンライン営業に必要なスキルです。突破力とクロージング力の時代はもう終わり。プレゼン力フォロー力の時代へ。営業のオンライン化はそれを加速させるのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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