
儲けるために考える「人は一体何にお金を払うのか」
<変人・安田の境目コラム>
つまり人は何に「価値」を感じて、それの「価格」が決まっていくのか
1億7000万円だったバンクシーの絵が、シュレッダーで刻まれたことで、29億円の価値になりました。落書きのような絵が1億7000万円もすること。切り刻まれて29億円に値上がりしたこと。どちらも信じがたい事実です。
信じがたいけど事実。
じつは私たちの周りには、こういうことが多々あります。竹藪に1億円落ちていたとか。津波で原発が破壊されたとか。信じがたい事実とは、言い換えるなら紛れもない事実。ここがとても重要なのです。
だけど多くの人は忘れがち。なぜ忘れてしまうのか。確率がとても低いことだから。常識ではあり得ないことだから。だけど起こってしまったこと。やっぱりそれは事実なんですよ。
事実は事実として、きちんと受け入れなくちゃいけない。私はそう思います。でないと同じ失敗を繰り返してしまうから。でないと成功の果実を手にできないから。
信じがたい。あり得ない。多くの人はこちらに気を取られてしまう。だけど重要なのは事実かどうか。それは事実起こったことなのです。問題はなぜそれが起こったのか。なぜバンクシーの絵は高いのか。なぜ切られた絵が値上がりするのか。それは買っているものが絵ではないから。お金を支払っているのは絵だけれど、買っているものは絵ではない。
価値も価格も「人間の妄想」だけで決まっているという事実
バンクシーという謎のアーティスト。彼が描く映画のような社会風刺ストーリー。そこに人々が共感し熱狂する。そこに目をつけお金儲けする人が現れる。金に集まる人をまた風刺するバンクシー。1億7000万円を一瞬でゴミにしてしまう。こんなものはただの紙切れだと言わんばかりに。人々はさらに共感し熱狂する。熱狂はゴミを29億円の価値に変えてしまう。
さあ、買っているものは何でしょう?バンクシーの生き様でしょうか。人々の熱狂でしょうか。もはやどんな目利きでも、作品だけをみて価値を測ることは不可能です。
なぜなら価値は人間の妄想の中にあるから。
※人は何に価値を感じるのか。儲かるビジネスのためにそれはどう考えるべきなのかについて、安田氏がこちらの動画で詳しく語っています。よろしかったら併せてご覧ください。
