働き方

大谷翔平選手は一体どこがどうすごいのか考えてみた

投稿日:2021年12月13日 / by

<変人・安田の境目コラム>

なぜ彼が満票一致でMVPに選ばれたのか、理由を少し深く掘り下げてみるに…

大谷選手のメジャーMVP。すごいですよね。メジャーは野球界の世界最高峰。そこで最も活躍した選手。それが大谷翔平なのです。

どの選手が凄いのか。それを見極めるポイントは歴史と共に変化してきました。打者ならこの指標を重視する。投手ならこの指標を重視する。という具合に。大谷選手の凄いところは、その指標超えてしまったことです。

もはや何が凄いのか分からない。だけどとにかく凄いのだ。誰もなし得なかったことなのだ。それがMVPの理由です。

大谷翔平選手のすごいところ
もしホームラン王になっていたら。もしサイ・ヤング賞も取っていたら。これは最もわかりやすい、そして最も選考しやすいMVPだったでしょう。投打両方の指標を満たしているから、誰もクレームがつけられない。

だからイチローさんは言ったのでしょう。ピッチャーとバッターを隔年でやればいいと。今年はホームラン王。来年はサイ・ヤング賞。もし交互にタイトルを取ったら、間違いなく歴史に残る選手になります。

だけど大谷選手はそうしなかった。ある意味とても中途半端な、二刀流という選択をしたのです。結果的に投手としても打者としても、タイトルを逃してしまいました。

「判断基準そのもの」を変えてしまった。それが彼のすごいところではないか

だけど歴史には刻まれました。ホームラン数や防御率という、これまでの指標を超えて。投手と打者を合わせた数字。それは記録であって記録ではない。残した数字はもちろん凄いですが、残したインパクトの方が遥かに凄い。つまりこれは記憶なのです。

誰がなんと言おうと大谷が一番だ。そう感じる人がたくさんいたということ。間近で見ていた観客も、MVP投票した記者たちも、一緒にプレーしていた選手たちも、野球をよく知らない人たちまでも。

大谷翔平は伝説となりました。数字という指標を超えて。野球ファンの心に圧倒的な記憶を残した。メジャーの歴史の中に、新たな記憶と記録が刻まれたのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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