働き方

トップセールスの人はセールスしないで売上をあげる

投稿日:2022年1月10日 / by

<変人・安田の境目コラム>

営業されるのもするのも大嫌いな、私、安田がしていること

飛び込み営業と聞いて、みなさんはどんな印象を持ちますか。ゴリゴリの営業。押し売り。要らないものを買わされる。そういうイメージではないでしょうか。

私は飛び込み営業マンが嫌いです。人の都合も考えずにやって来る。許可してないのにいきなり営業しだす。断ってもなかなか引き下がらない。もうとにかく面倒くさい。

当社には次から次へと飛び込み営業マンがやって来ます。だから私は工夫しました。ドアに貼り紙をしたのです。

「営業聞きます。30分2万円」

2万円払ってでも聞いて欲しい話がある。そこまで言うなら聞いてあげてもいい。最悪でも2万円の稼ぎにはなる。そう考えていましたが、ピタリと営業は来なくなりました。嬉しいような、寂しいような。

セールスしないでトップセールスマンになる
とにかく私は営業が嫌いなのです。営業されるのも嫌いですが、営業することも嫌い。だからすごく工夫しています。できるだけ営業しなくていいように。

もし安田という人間を一切知らない、私の商品やサービスにも一切興味がない、そういう人に営業しなくちゃいけないとしたら。私はすごくダメダメ営業マンだと思います。おそらく1円も売れないでしょう。

考えてみたら飛び込み営業マンって、すごいですよね。中でもトップセールスの人。一体どうやって売ってるんでしょう。私の営業が+50からのスタートだとしたら、飛び込み営業は-50からのスタートです。それを「買いたい」まで持っていくのですから、もはや神業のような仕事です。

セールスしないセールスマン。それこそがトップセールスになる人

やはりゴリゴリの営業なのでしょうか。いやそれではトップセールスにはなれない。私が思うにトップセールスとは、トークを練り込むプロなのだと思います。こういうタイプの顧客に対しては、こういう順番で、こういうロジックで、話を展開する。すると相手はこの商品が欲しくなる。-50からスタートし+100まで持っていくロジック。それを練り上げるプロこそがトップセールスの正体。

私の仮説が正しければ、トップセールスはもはや現場にいないはず。ロジックが出来上がればあとは覚えるだけだから。人を雇ってロジックを覚えさせればいい。つまり飛び込み会社の経営者こそが、トップセールスの正体なのです。採用トークもさぞや練り込まれていることでしょう。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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