働き方

不便を便利にする仕事vs不便をあえて作り出す仕事

投稿日:2022年3月28日 / by

<変人・安田の境目コラム>

売れるサービスの基本は「ユーザーに便利を提供すること」と思ってますよね

便利とは何か。不便とは何か。経営者たるもの、ここを真剣に考えなくちゃいけないのです。

便利とは早いこと。楽なこと。私の労力や時間が浮くこと。こういうイメージではないでしょうか。洗濯機や食洗機があれば、手洗いしなくて済むとか。電車やバスに乗れば、歩かなくて済むとか。時間は浮くし、私は楽だし、しかも一回あたりの値段はそんなに高くないし。これが便利の基本形。

では不便はどうでしょう。

便利とは何?不便とは何?
遅いこと。待たされること。手間がかかること。私の労力や時間がかかること。これだけ見てると、不便はろくなもんじゃない。

だけど人間というのは不思議。わざわざお金を出して、この不便を買うわけです。お金を出してジムに行き、しんどいトレーニングをするとか。すごく待たされて出てきた料理に、喜んで高い金額を払うとか。

不便なものをわざわざ選んで購入する。そこにおいしいビジネスチャンスがある

遅いこと。待つこと。手間がかかること。体力を使うこと。高い金額を払うこと。
ほんと不思議なんですけど。人間というのは、こういうものが大好きなのです。好きだから手間も時間も惜しまない。好きだから高くても構わない。

無くしたい不便と、お金を出して買いたい不便。どちらもビジネスチャンスです。だけどやってることは真逆。だから儲けの法則も真逆。一方は不便をなくす仕事。一方は不便をつくり出す仕事。早くするか、遅くするか。簡単にするか、面倒にするか。安くするか、高くするか。

たとえばコンビニは、早くて、簡単で、安い。だから売れます。
高級ブランドショップは、遅くて、面倒で、高い。だけど売れちゃうのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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