働き方

御社の商品は「顧客の選択肢」に入っているのか

投稿日:2022年4月25日 / by

<変人・安田の境目コラム>

あらゆるものに、あらゆる選択肢が多すぎる現代なのだけど…

人生には幾つの選択肢があるのか。皆さんは数えたことがありますか。

大人は子供に熱く語ります。君には無限の選択肢があるよと。だけど言ってる本人は、そんなことを信じてはいないのです。

その商品は顧客の選択肢に入っているか
私たちには自由があります。日本は独裁国家ではないのですから。誰かに何かを強制されることはない。選択する権利は常に自分にあるのです。

理屈ではその通り。進学も、就職も、結婚も、最終的に自分で選択したはず。だけど自由という感じがしない。もちろん親の影響はあるでしょう。だけどそれだけじゃない。何か窮屈さを感じる。それはいったいなぜなのか。

それは選択肢が限られているからです。小学生の将来なりたい職業には、サッカー選手、宇宙飛行士、アイドル、ユーチューバーなどが、ひしめいています。だけど中学生になり、高校生になり、大学を卒業する頃には、A社かB社かC社になっています。いつの間にこんなに狭くなってしまうのか。

人は自覚なきまま、自らの選択肢を狭めていきます。なぜなら楽だからです。

たとえば昼ごはんの選択。今日の昼メシ何にする?と同僚に聞かれて、スズメを捕まえて焼き鳥にしよう!という人はまずいない。香港に飲茶を食べにいく人もいない。いつもの和定食かラーメンか。中華もいいな。たまにはイタリアン行ってみる?この程度が関の山。

バカにしているわけではありません。私だって似たようなものです。いちいち無限の選択肢など考えていたら、面倒くさくてとても生きていけません。

人の「狭い選択肢」に入っていない商品は、買ってもらいようがない

だけど売る側はそれではいけない。何とかして相手の選択肢に入り込まなくちゃいけない。なぜなら、そこに入っていない商品は絶対に売れないから。

人は無意識に多くの情報を遮断しています。つまりほとんどの選択肢は見えていないのです。見えていない選択肢を見える化する。これが潜在顧客の掘り起こしです。新商品は作っただけでは売れません。見えない商品は買いようがないのです。

※選択肢に入っていない商品は、「見えていない、存在しない商品」と同じ…という詳しい解説を、安田氏のこちらの別コラムでご覧いただけます。よろしかったらご参照ください。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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