
素人とプロの違いは「微調整のセンス」の有り無し
<変人・安田の境目コラム>
得意か得意でないか、選ばれるプロになれるかなれないか、その差は「微」だった
私は料理が好きですが、得意ではありません。自分のレパートリーなら、そこそこ美味しくできます。だったら得意なんじゃないか。まったく料理をしない人には、そう見えるかも知れません。しかし私は境目研究家です。得意と不得意の境目をきっちりしたい。
料理が得意かどうか。その境目は微調整のセンスです。ほんの少しの隠し味を加える。ほんの少しの手間を加える。料理はそれで劇的に変わります。
問題は美味しくなるかどうか。センスがある人は、手間や隠し味を加えた後の味が、正確にイメージできるのでしょう。だから美味しくなるのです。
私はセンスがないので、イメージと出来上がりに乖離があります。つまり手を加えると、どんどん不味くなっていくのです。だから出来るだけ手を加えません。本当に料理が得意な人は、手を加えることができる人。つまり微調整のセンスがいい人です。同じ材料で同じ料理をつくっても、なぜか美味しく仕上がるのです。
歌や絵もきっと同じ。
カラオケで誰かの曲を歌うとき、ほんのちょっとアレンジを加える。画用紙に何かを模写するとき、ほんの少しのアレンジを加える。手を加えることで、オリジナルとは違う私の歌になる。写真とは違う私の絵になる。その歌や絵が素敵かどうか。ここがアーティストに求められるセンスなのです。
自分の仕事で成功するかどうか、についても、理屈は同じ
残念ながら私には料理のセンスがない。歌や絵のセンスもありません。だけど商売にはセンスがあるのではないか。自分ではそう考えています。たとえば本のタイトルや見出し。商品の見せ方や売り方。ここをこう変えれば、もっと面白くなりそうだ。もっと売れそうだ。
それを考えるのが好きであり、得意なのだと自己分析しています。
だからこういう仕事をしているのです。
自分はいったい何に向いているのか。
そのヒントは微調整のセンスにあるのです。
※ビジネスにおける「微調整のセンス」について、安田氏のこちらの別コラムでさらに詳しい解説をご覧いただけます。よろしかったらご参照ください。
