働き方

生きていくためにあえて波風を立ていくビジネス術

投稿日:2022年5月23日 / by

<変人・安田の境目コラム>

静かでおだやかな「無風」の状態が好きな人も居るだろうが…

人は波風を立てることを嫌います。風もない、波もない。いわゆる凪(なぎ)という状態。日本人は凪を好む国民なのです。

私だって凪は大好きです。どこまでも高く青い空。時々感じる心地よいそよ風。眠ってしまう程度のさざ波。眠るにはもってこいの状況。だけど波乗りには困ります。だって波がないと前に進まない。波とはエネルギーそのものなのです。

波風を立てる生き方
サーフィンなら待つしかありません。波を待つこともまた、サーフィンの一部なのでしょう。でもビジネスは違います。波を待っている間に会社が潰れてしまう。小さな波に揺られているだけでは、もはや経営は成り立たない。そういう時代になってしまったのです。

波風立てない凪のビジネス。これはもう過去のもの。波を待っているだけではもうダメ。自ら波を起こすしかないのです。

波もただ起こすだけではダメ。有効な「波の立て方」をしなくては

海に小石を投げたって、大きな波は起きません。でも小さな池なら大丈夫。小石でもそれなりの波が起きます。小さなビジネスは波を起こすのも簡単。小魚がちょっと驚くぐらいの波紋なら、誰にでも起こすことができるのです。手に持った小石を水面に投げ込むだけ。

大きな海で起こる大きな波。その波が起こす中ぐらいの波。さらにその波が起こす小さな波。中小企業はそこで生きてきました。だけどこれからは難しい。大きな海の中の小さな波では、船を動かすだけのエネルギーが足りなくなってしまったのです。

思い切って小さな池に移動しましょう。ご機嫌なお引越しです。大きな船も、大きな生き物も、ここには来ない。だけど、暮らしていくには十分の環境です。小さな池に自ら小石を投げる。水面に波紋が広がっていく。水面下では水の動きに合わせて小魚が動く。小さなエビや虫や巻貝も動く。小さな小石が生み出す小さなコミュニティー。それが小さなブルーオーシャンなのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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