
生きていくためにあえて波風を立ていくビジネス術
<変人・安田の境目コラム>
静かでおだやかな「無風」の状態が好きな人も居るだろうが…
人は波風を立てることを嫌います。風もない、波もない。いわゆる凪(なぎ)という状態。日本人は凪を好む国民なのです。
私だって凪は大好きです。どこまでも高く青い空。時々感じる心地よいそよ風。眠ってしまう程度のさざ波。眠るにはもってこいの状況。だけど波乗りには困ります。だって波がないと前に進まない。波とはエネルギーそのものなのです。
サーフィンなら待つしかありません。波を待つこともまた、サーフィンの一部なのでしょう。でもビジネスは違います。波を待っている間に会社が潰れてしまう。小さな波に揺られているだけでは、もはや経営は成り立たない。そういう時代になってしまったのです。
波風立てない凪のビジネス。これはもう過去のもの。波を待っているだけではもうダメ。自ら波を起こすしかないのです。
波もただ起こすだけではダメ。有効な「波の立て方」をしなくては
海に小石を投げたって、大きな波は起きません。でも小さな池なら大丈夫。小石でもそれなりの波が起きます。小さなビジネスは波を起こすのも簡単。小魚がちょっと驚くぐらいの波紋なら、誰にでも起こすことができるのです。手に持った小石を水面に投げ込むだけ。
大きな海で起こる大きな波。その波が起こす中ぐらいの波。さらにその波が起こす小さな波。中小企業はそこで生きてきました。だけどこれからは難しい。大きな海の中の小さな波では、船を動かすだけのエネルギーが足りなくなってしまったのです。
思い切って小さな池に移動しましょう。ご機嫌なお引越しです。大きな船も、大きな生き物も、ここには来ない。だけど、暮らしていくには十分の環境です。小さな池に自ら小石を投げる。水面に波紋が広がっていく。水面下では水の動きに合わせて小魚が動く。小さなエビや虫や巻貝も動く。小さな小石が生み出す小さなコミュニティー。それが小さなブルーオーシャンなのです。
