
安い請負い仕事に甘んじないで自分を高く売る方法
<変人・安田の境目コラム>
「自分のオリジナル作品を売る」のか、「言われて作ったものを納品する」のか
アートとデザインは違うと言われます。
アートとはアーティストが、自らつくりたい作品をつくったもの。欲しい人は出来た作品を買う。
デザインとはクライアント(商品)の魅力を伝えるためにつくるもの。クライアントの商品が売れれば、それは良いデザインと言えます。
絵を描くとか、色を塗るとか、やってることは同じに見えますが、目的はぜんぜん違うということです。
では文章はどうでしょう。
アートに相当するのが小説で、デザインに相当するのがコピー。普通に考えればそうなります。ここで重要となるのが価格です。
有名なデザイナーやコピーライターのギャラは、驚くほど高いです。でもそれはほんのひと握り。多くのコピーライターやデザイナーは安い仕事を強いられています。いや、強いられているわけではありません。自らそういう仕事の取り方をしているのです。
なぜ安いのか。それは代わりが効くからです。有名デザイナーや有名コピーライターはその名前自体がオリジナル商品なのです。○○さんが書いたコピー。○○さんが描いたデザイン。これだけで価値があるのです。だけど無名の人にはこの戦略が効かない。
「他にないものを創り出して売る人」という前提で、発想を転換する
では安さに甘んじるしかないのか。いや、そんなことはありません。名前ではなく、商品を作ればいいのです。自分だけのオリジナル商品。え?それはアートや小説の話だろ。デザインやコピーは、クライアントの要望通りに、つくらなくちゃいけないんだ。そういう声が聞こえてきそうです。
でもそんなことはないのです。重要なのは名前ではなく肩書き。
たとえばコピーライターではなく、ステップメールクリエイターと名乗る。
たとえばデザイナーではなく、個性発掘クリエイターと名乗る。
自分の得意と特徴を活かして、勝手に名乗ればいいのです。大事なのはそのコンセプトです。誰にとってのどういう価値なのか。自分で自分をオリジナルに加工するのです。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。