働き方

「人生で選ばなかったこと」を考えたことがありますか

投稿日:2022年7月11日 / by

<変人・安田の境目コラム>

人は振り返りや履歴書で自分が「やったこと」には目を向けるけど…

履歴書とは、やってきたことの年表です。でもそれより遥かに多いのは、やってこなかったこと。1日はあっという間に終わります。1週間も1ヶ月もあっという間。できることなんて、とても、とても、限られているのです。

たとえばマンガを読むだけでも、けっこうな時間がかかります。どんなにマンガが大好きでも、すべてのマンガを読むことは出来ません。とても時間が足りないからですあるマンガを読むということは、そのマンガを読む決断をした、とも言えますが、それ以外のマンガを読まない決断をした、ということでもあるのです。

人生で選択しなかったことについて
人生とはこういうことの積み重ねです。ほんの少しのやったことと、大多数のやらなかったこと。ほんの少しの考えたことと、大多数の考えなかったこと。

人生はやったことで出来ていると言いますが、じつはやらなかったことも大きく影響しています。一度も海外に行かなかったこととか。一度もサーフィンをしなかったこととか。一度も経営をしなかったこととか。

一度もやらなかったことを、もしやっていたら。一度も考えなかったことを、もし考えていたら。今とはまったく違う人生に、なっていたかもしれないのです。

「なぜそれをやらなかったのか」を意識しなければ、人生は変わらない

人生は自ら選んできたことの結果です。何かをやって、それ以外をやらなかった結果。問題はやらなかったことの理由です。よくよく考えてやらなかったのか。何となくやらなかったのか。考えるまでもなくやらなかったのか。やらなかったことすら覚えていないのか。

ある会社に勤めるということは、それ以外の会社には勤めないということです。もっと言えば、それ以外のすべての仕事を、やらないと決断したということです。そんな決断はした覚えがない。人間とはそういうものです。別にサボっている訳ではありません。いちいち考えていたら、ものすごいストレスだからです。

とてつもない可能性の中から、ほんの僅かな選択肢に絞り込む。これを無意識でやっているのです。私の無意識は私の人生から何を排除したのか。この先、何を排除していくのか。意識しない限りそれは見えないのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
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1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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