働き方

あなたは立派な社会人?or会社に生きる会社人?

投稿日:2022年8月15日 / by

<変人・安田の境目コラム>

就職して会社に入って、しっかり働けば立派な社会人、とは限らない

上司や会社には評価されるけど、お客さんには喜んでもらえない。これは立派な会社人間ですが、立派な社会人とは言えません。目の前のお客さんに喜んでもらい、結果的に会社の利益にもつながり、上司にも会社にも評価される。これが立派な社会人の姿です。

ふたつは似て非なるもの。この違いを理解しておかないと、人はどんどん病んでいきます。なぜなら社会と断絶していくから。

社会人と会社人は似て非なるもの
自分以外の人の役に立つ。この集合体が社会です。だから社会に属していると、たくさんの恩恵に預かることができるのです。その威力は凄まじいものがあります。社会が機能していることによって、自宅まで電気やガスや水が届く。たった数百円でバスや電車に乗れる。パソコンやスマホがネットに繋がる。忘れがちなことですが、すべては社会の恩恵なのです。

つまり元を辿れば利他の精神。まず与えよ。されば与えられん。これが人間社会の原則です。他者貢献を忘れると、人はどんどん孤独になっていきます。ベクトルが真逆だから当然なのです。得ようとすればするほど、自分から遠ざかっていくのです。

どちらを見て動くのか、何を優先するか、が大きな違いに

なぜこんなことになってしまったのか。

私は会社の存在が大きいと思います。ひとりではできないことを集団でやる。その進化系が会社であったはず。でもいつの間にか本末転倒になっている。

会社を通じて他者貢献する。これは間違っていません。だけど見えにくくなっていきます。会社に貢献していれば、きっと社会にも貢献できているはず。だんだん盲目的にそうなってしまうのです。

気がつけば会社の利益が最優先になっていた。その影響は末端の社員に現れます。誰もその仕事をやりたがらない。お金のためだけに割り切って働く。使う人間も使われる人間もどんどん病んでいく。

みんなが少しずつ社会に貢献していけば、社会はギブで満たされていきます。結果的にみんながハッピーになる。私は何も理想論を語っているわけではありません。これが人間社会の原理原則なのです。

※「社会人」と「会社人」の違いをもっと掘り下げて、立派な社会人の在り方などについてヒントをくれる安田氏の解説をこちらの別コラムでご覧いただくことができます。よろしかったら併せてご覧ください。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
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1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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