
無駄なく生きる人生と、無駄遣いする人生、どちらが幸せか
<変人・安田の境目コラム>
お金も、時間も、無駄にしたらもったいない! というはずなのですが
タイムイズマネーは、稼ぐ人がよく言うセリフ。でも時間で働く人にとっては、タイム・イコール・マネーです。時給や月給はそもそも、時間をお金に換えたもの。時間とはお金だし、お金とは時間でもあります。
金やプラチナは換金しやすいと言われていますが、時間はもっと換金しやすいのです。つまり時間とお金は同じもの。そしてどちらも大切なもの。大切なものは無駄にしたくない。誰だってそう思うはずですよね。だけど実際はその逆をしている。それが人間のおかしなところ。
生まれてこのかた、無駄遣いをしたことのない人間はいない。無駄な時間を使ったことのない人間もいない。こう言い切っても良いのではないでしょうか。
いやいや。待て待て。そもそも無駄とは一体なんなのだ。私の人生には無駄などなかった。すべての経験は有意義なものだった。もちろんこのような考えもあります。
しかしこれを言い出すと、どんなにブラックな職場での経験も、騙されて買ってしまった不良品も、心が壊れそうな発言や行為も、無駄ではなくなってしまいます。
人生に無駄はないかもしれないけれど、やっぱり幸せなことが多い方がいい。当たり前のことです。では幸せな人生に、無駄遣いは必要か。私が問いたいのはここ。
人が「幸せに感じるコト、モノ」。そこにこそビジネスチャンスもある
命そのものとも言える時間。その時間を交換して得たお金。これを一切無駄なことに使わず、生きていくことだけに使ったらどうなるか。かなり乾いた人生になりそうですよね。
生きていくために無駄が必要である。これが人間の本質なのです。動物は旅行も料理もしません。服も着ませんし散髪もしません。生きていくには不要だからです。
生存のために必要だったこと。そこに使った時間とお金の合計。これが無駄のないマーケットです。
生存のためには必要なかった。そこに使った時間とお金の合計。これが無駄遣いマーケットです。
どちらが大きく、そしてブルーか。考えるまでもないですよね。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。