
今の時代の「商品が売れていくブルーオーシャン」とは
<変人・安田の境目コラム>
「欲しがられる商品」と「欲しがらせる集客力」は、つねにビジネスの大課題ですが
いい商品が売れるとは限りません。売れている商品がいい商品とも限りません。しかし長い目で見ると、このふたつは一致していきます。つまりずっと売れ続けている商品。それはきっと良い商品なのでしょう。
食べ続けてくれれば分かる。使い続けてくれれば分かる。問題はどうやってそこに辿り着くかです。
まず一度食べてもらう。まず一度使ってもらう。ここに大きなハードルがあります。知らないものは買いようがないからです。莫大な広告宣伝費を使える大企業が圧倒的に有利なのはこのためです。しかし仮にこのハードル超えても、消費者が使い続けてくれるとは限りません。
世の中には似たような商品が溢れているし、消費者の目や舌は、そんなに肥えてはいないからです。だから大企業は宣伝し続けるのです。知ってもらい、使い続けてもらう。そのために莫大な費用をかける。使い続けるうちに習慣化される。気がつけばその商品しか選ばなくなっている。これが大企業の販売戦略。
もちろん小さな会社には、こんな戦略は無理です。でも時代は変わってきました。
多額の宣伝費が使えない小さな会社が生き残るためのブルーオーシャンとは
消費者はだんだん広告に飽きてきて、大衆と言われるものが消えてきた。
自分が見つけた商品。自分の好みにぴったりの商品。他の人には分からなくても、私にはその良さがよく分かる。だから使い続ける。買い続ける。これが小さな会社の目指すべき販売戦略ではないでしょうか。
そのために必要なもの。それがターゲットに合わせた商品開発なのです。
これは私のための商品だ。まさに探し求めていたものだ。その出会いを演出するためのストーリー。使った商品に満足してもらうための丁寧な情報提供。偶然のような必然の出会い。顧客の目や舌を肥やす情報。それが結びついて、小さなブルーオーシャンが誕生するのです。
※この「ターゲットに合わせた商品開発」について、安田氏が“商品力×集客力”という観点から詳しく解説しているこちらの別コラムもどうぞ併せてご覧ください。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。