働き方

これからは「会社が社員を育てるのをやめる時代」です

投稿日:2022年10月10日 / by

<変人・安田の境目コラム>

社員が勝手に成長する。そして会社がどんどん儲かる。そんなこと、できるのか?

快適な労働環境を整備して会社が社員をもてなす。これで会社が儲かっていれば、じつに素晴らしいことです。こんな夢のような会社が、果たして実現できるのでしょうか。私は実現できると思っています。
そのキーワードは自立です。

教育も管理も必要ない。勝手に商品をつくり、勝手にお客さんを集め、勝手に納品して、会社に利益をもたらしてくれる。そんな夢のような社員がいたら。そんな社員ばかりだったら。社長はなんて楽なのでしょう。日々稼いでくれる社員に感謝して、拝みたくなってしまいます。

社員を育てない会社が当たり前の時代に
放っておいても稼いでくれる。自分の給料分はもちろん、会社に残る利益分まで。こうなると会社と社員の関係は根底から変化します。

毎月決まった給料を払う。会社の指示命令に従ってもらう。それがこれまでの関係
勝手に働いて利益をもたらしてくれる。より快適になるように環境を整備する。それがこれからの関係

そんなことがあり得るものか。そう言いたくなる気持ちは分かります。でもこれは起こりうる現実なのです。もはや社員を育てる時代ではないのです。

自分一人でも十分に稼げる人が「でもこの会社に居たい」と思える会社づくりへ

手間も費用もかけて採用し、給料を払いながら育成しても、厳しく管理すれば辞めてしまう。ゆるく管理すれば儲からない。今はそういう時代なのです。一方で、育成も管理も必要ない、稼げる個人はフリー化していきます。赤字社員の採用&育成コストまで、背負わされたらたまらないからです。

だったらどうすればいいのか。

答えは簡単。赤字社員を手放せばいいのです。つまり育成と管理を放棄するのです。放っておいても稼いでくれる。そんな夢のような社員が働きたくなる環境。それを全力でつくるのです。

フリーでも稼げるけどこっちの方が快適。“こっちの水は甘~いぞ”と自立した人材が集まってくる。選ぶ採用はもう終わり。選ばれる採用が利益をもたらすのです。

※「会社と社員の関係が逆転する」という新しい時代の在り方と「企業の生き残り方」について安田氏がより詳しく解説しているこちらの別コラムもどうぞ併せてご覧ください。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
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1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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