
日本が今後、世界で生き残っていくための戦略的方針
<変人・安田の境目コラム>
賃金は伸びない。円も安い。経済的存在感を失いつつある日本に未来はあるか
どうやら我慢は日本人の美徳のようです。給料が安くても我慢。税金が上がっても我慢。日用品が高くなっても我慢。
こうなったらもう、我慢を国是にしましょう。我慢の国、にっぽん。いや、これはちょっと魅力に欠ける。だったらこうしましょう。質素倹約を美徳とする国、にっぽん。必要以上に欲しがらず、身の丈にあった生活をする。率先して現場仕事をし、不労所得なんてものは決して求めない。いわゆるサスティナブル(持続可能)な、いわゆるミニマル(断捨離)な、世界最先端の生活様式。それが質素倹約の国、にっぽん。素晴らしいじゃないですか。
そんなの何も素晴らしくない!ジリ貧になっていくだけだ!そう思う人も多いでしょう。だけどご安心ください。ジリ貧には底があるのです。今や中国は世界の工場ではなくなりつつあります。人件費が高く、政情も不安定。だから世界のメーカーは、工場を他のアジア諸国に移しつつあります。
「世界一の下請け国、にっぽん」という、選択肢
でもいずれ移した先の国でも人件費は上がっていきます。なぜならいつまでも貧乏なのは嫌だからです。誰だって、豊かな側になりたいのです。
こうなると、またもや工場を移さなくちゃいけなくなる。今度はどこへ?アフリカ?アフリカで細かなモノづくりはできるのか?やるとしたら徹底した無人化工場か?
しかし、どうしても細かな仕上げ作業は残ります。安く仕上げるのではなく、高くてもいいから手作業で仕上げて欲しいもの。これが日本に戻ってくるのです。真面目に、丁寧に、細かい仕事をやり遂げる。安い賃金でも文句を言わない。顧客を笑顔にするために、質素倹約の精神で乗り越えてしまう。世界一の手作業下請け工場として、世界一の手作業サービス国家として、日本は生まれ変わるのです。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。