
ビジネスは大きくしちゃダメ。小さく産んで長く育てるべし
<変人・安田の境目コラム>
私、安田が、今までさまざまな商品を生み出してきて、学んだこと
私はこれまで数多くの商品を世にリリースしてきました。ワイキューブ時代にも。会社が潰れてからも。おそらくこの10年で、30個以上はつくったと思います。作った商品に関しては全力でリリースしてきました。
でも売れたのは3個にひとつぐらいです。ワイキューブ時代から、その確率はほぼ変わりません。
大きく変わったこともあります。それは見切りが早くなったこと。昔は自分がつくった商品にかなり固執していました。その分、損も大きかったです。
損切りが上手くなったのではなく、損切りせざるを得なくなったのです。今では “小さく産んで育てる” ということを覚えました。
昔の私は一気に広げるのが好きで、当たれば大きいのですがそのぶん後戻りができない。結果的に大きな損もたくさん出してしまいました。
今の私はスモール・ビジネスしか考えていません。仮に大きくなったら、売却すると思います。大きなビジネスは自分には向いていないと痛感しているからです。小さく、面白く、長く儲かるビジネス。それをたくさん考えたい。これが今の生きがいでもあります。
リスクの最小化、ブルーオーシャンの創出、それこそがスモール・ビジネスの真髄
自分のビジネスも考えるし、人のビジネスも考えます。共通点は小さく産んで育てること。大きく育て過ぎてはいけません。強い競合が参入してくるから。小さく産んで、長く育てる。これが私の基本姿勢です。
とは言え、今の時代にはBtoB商品はそんなに長くは続きません。長くて5年というところでしょうか。だから私は毎年のように、新商品をリリースし続けているのです。新たな価値を妄想し、販売ロジックに落とし込み、LPをつくってリリースする。大変だけど一番好きな仕事なのです。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。