働き方

商品の価値を高めるのは、作った「私」の人生体験

投稿日:2023年2月20日 / by

<変人・安田の境目コラム>

人は「ただ欲しいモノ」を買うのではなく、そこに込められた「特別な価値」を買う

私はどんな人間なのか。何に迷い、何に感動し、どのような紆余曲折を経て、この商売(商品)に至ったのか。ここを開示することで、私の人生や価値観は商品となります。私が作るもの、私が売るものに、特別な価値が加わるのです。

私と一緒に旅行に行きませんか?私と行くとこんな旅を体験できます。ここに顧客が集まれば、「私との旅行」が商品になります。

私が作った家具でもいいし、私が描いた絵でもいいし、私が考えたレシピでもいいし、私が教える学校でもいい。何だっていいのですが、重要なのは家具や絵や旅行ではない。重要なのは私なのです。

作った人の人生体験が商品価値を高める
私の体験や、私の葛藤や、私のチャレンジや、私の挫折や、私の目的や、私のビジョン。そこに共感してくれるから、家具や絵や旅行は特別なものになるのです。

小さな会社。小さな商売。あるいはひとりの会社や商売。スモールビジネスをやるなら、私の開示は不可欠です。そこが価値のルーツだからです。

私には特別なものがない。至って普通である。いやむしろ底辺だ。人並みに出来ないことばかり。そこに私の価値はあるのか。こう悩む人がとても多いです。でもそれでいいのです。悩むことも含めて、私自身が価値なのです。

作った人間のなかの価値。商品に込められた物語。それらの開示が必須

人間なんて大差ありません。生まれた時は何も出来ないし、死ぬ前だってヨボヨボです。出来ることなんてたかが知れてる。ここまでは同じなのです。問題はここから。

そんな私にも価値がある。そんな私だから出来ることがある。そう考えられるかどうか。ここがとても重要なのです。私にとっては大きな悩み。私にとっては大きな生きがい。私にとっては大きなチャレンジ。それを開示することで、私は誰かにとっての特別な私になるのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
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1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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