
先進国で最低の生産性を誇る日本の会社がすべきこと
<変人・安田の境目コラム>
かつて世界のトップクラスにいた日本企業は、もうベスト50にも入っていない…
24時間働けますか。ジャパニーズ・ビジネスマン。このフレーズが響きまくったのはバブルの絶頂期です。みんな喜んで残業していました。
残業手当の規制などなく、売上目標を達成するまで、会社が利益目標を達成するまで、みんな一丸となって働きまくったのです。そりゃあ会社は儲かりますよね。会社が儲かって、ボーナスもたくさん出て、社員は稼いだお金を使いまくって、景気も良くなって、日本の未来はウハウハでした。
もはや昔話です。あの頃に戻るなんてあり得ない。それは諦めとかではありません。あの頃が異常だったのです。人口も増え続けていたのですから。
もう人口は増えない。にも関わらず1人当たりの生産性は低い。かつて世界の時価総額トップ50社に20社も入っていた日本企業。今は1社も入っていません。
やるべきことは明白です。ひとり当たりの生産性を高めること。そのためにはどうするべきか。一旦立ち止まるしかありません。立ち止まってやり方を変えるのです。
安い人件費で働きまくる。働かせまくる。そうやって生み出した安い商品やサービスを大量に売る。短期的にはいいでしょう。でも長続きするわけがありません。
「ひとり当たりの生産性を高める」ために、日本企業がすべきたった一つのことは
長続きするはずがないものを、なんと30年間も続けてしまった。その結果が先進国最低の生産性です。未来を信じなくなった国民はお金を使わない。当然の結果が訪れたと言うべきでしょう。
安い給料でたくさん働かせるのではなく、高い給料で短い時間だけ働いてもらう。生産性を高めるとはこういうことです。
賛同する経営者はきっと少ないでしょう。今までより高く払う?しかも労働時間を減らす?それでどうやって儲けるんだ?お前はアホか?と言われそうです。
でもこれしかないんです。だって世界はこれをやっているのですから。とにかく無駄な人材を雇わない。高スキル人材に高い報酬を払う。そして自社にしかない価値を生み出す。これ以外にどんな方法があるというのでしょう。
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。