働き方

中小企業こそ、製品をどんどん値上げして大儲けしよう

投稿日:2023年6月26日 / by

<変人・安田の境目コラム>

値上げなんかしたら客が離れていってしまう…という常識にとらわれてませんか

大企業と中小企業と。どちらの値上げが、より大変なのでしょうか。

そりゃあ中小企業だろう。大企業は体力もあるし。価格決定権もあるし。中小企業はいいなりだよ。これが多くの人の意見です。でも本当なのでしょうか。確かに大企業には体力があります。少々売上が落ちても潰れはしない。

中小企業にはそんな体力はありません。売上が落ちたら大打撃。あっという間に潰れてしまう。だから下請け中小企業は発注者の言い値を飲むしかない。値上げして取引がなくなったら、もうおしまい。そういうイメージです。

中小企業こそ製品を値上げして大儲け
でも視点を変えてみると、また違った景色が見えてきます。まず大企業はマーケットが大きい。そして多くのシェアをすでに握っている。だからこそ強いのですが、だからこそ弱いとも言えます。値上げすると多くのシェアを失うかもしれない。失ったシェアを他の顧客やマーケットで取り返すことがとても困難なのです。

それに比べて中小企業は身軽です。顧客数も売上も大企業に比べれば微々たるもの。現顧客がいなくなったところで、新たな顧客を見つければいいだけ。

そんなに簡単じゃないぞ!と怒られそうですが、大企業に比べたら物理的なハードルは低い。私はそう申し上げているのです。

既存の顧客だけを相手にしていては、値上げ→大儲け、は叶わない

ではなぜ値上げに対して、中小企業はこんなにも消極的なのか。それは新規開拓力がないからです。値上げと新規顧客の開拓はセットなのです。

順番はこうです。
これまでより高い価格設定で、新規顧客を開拓する。新規顧客の獲得に目処が立ったら、既存の取引先に値上げを申し出る。取引を断られたら新規を増やせばいい。顧客開拓力があればそれが可能です。

問題は新規開拓力がないこと。何を置いても中小企業は、ここに力を入れないとダメなのです。まずは商品の価値を見直すこと。新たな価値を新たなターゲットに発信すること。ここがすべての始まりなのです。

※中小企業の「新規開拓力」を高める方法について、安田氏が、さらに詳しく語っているこちらの別コラムも併せてご覧ください。「新規開拓とは、まず、何から手を付けるべきか」がわかりやすく解説されています。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
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1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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