働き方

優秀で欠点のない人間なんて、ロクな仕事をしませんよ

投稿日:2023年9月25日 / by

<変人・安田の境目コラム>

「偏りがなくて、バランスがよくて、欠点がない人」は、本当に望ましい人間なのか

日本ではバランスのいい人が好まれます。言い方を変えれば偏った人や欠点のある人が敬遠されます。普通の子と同じように育ってほしい。人並みに生活できる大人になってほしい。これが多くの親の願いです。

私だって似たようなものです。自分の子供に欠点などあって欲しくない。

優秀で欠点のない人間なんてロクなものではない

だけどここで考えるべきなのです。自分はどうだったろうかと。欠点がないことやバランスがいいことは果たして幸せなのだろうかと。

私は欠点だらけの子供でしたが親は欠点を直せと言わない人でした。
私はほとんど長所のない子供でしたがお前は凄いと言われ続けて育ちました。
その結果、私はずいぶん偏った大人になりました。実績などなくても自信が持てるようになりました。普通の会社ではまず雇ってもらえませんが今でも両親にはとても感謝しています。

そもそも、人間という生き物自体が、実はバランスが悪くて欠点だらけ

そもそも人間とは偏った生き物なのです。自分のカラダを見てみてください。動物のように丈夫な毛皮がありません。寒くなったらすぐに死んでしまう。ちょっとぶつかったらアザだらけ。自然環境に適応したカラダになっていないのです。裸になったらすぐに死んでしまう。とても弱っちい動物です。

寒ければ服をたくさん着ればいい。暖房を効かせればいい。暖かいものを食べればいい。暑ければ服を脱げばいい。冷房を効かせればいい。かき氷やアイスを食べればいい。環境に適応する気などまるでなし。これこそが人間の本質なのです。

ヘンテコな裸のカラダ。自由に動く器用な手。弱々しい直立歩行での移動。不必要に大きな頭脳。これほどのアンバランスがありましょうか。
しかも好き勝手に移動し、好き勝手な服を着て、好奇心の赴くままに生きているのです。

素のままではほとんど役に立たないカラダ。道具を手に取り、ニッチなスキルをどんどん極め、苦手なことは人任せ。得意と不得意をどんどん交換し、気がついたら月にまで到着してしまった動物。

バランスなんてクソ喰らえ。環境適応なんてクソ喰らえ。それが人間なのですよ。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
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1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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