働き方

頑張った褒美で出世させる会社は、近い将来潰れます

投稿日:2023年12月18日 / by

<変人・安田の境目コラム>

「仕事で頑張れば昇進できる」―その経営方針で失敗した私、安田が学んだ教訓です

会社が潰れて12年経ちました。なぜあんな無茶な経営をしたのか、なぜあれほど拡大にこだわったのか、冷静に考えられるようになりました。もちろん野心もありました。凄い社長だと思われたい。でもそれだけではないのです。拡大し続けないとポジションが足りなくなったのです。

戦国時代に与える土地がなくなって朝鮮出兵した秀吉のように。戦国時代のご褒美は米が取れる土地の支配権です。そして会社でのご褒美は課長や部長というポジションです。

稼ぎたければ出世しろ。マネージャーになれば一気に収入が増える。部下もできる。いろんな裁量権が手に入る。夢の世界がすぐそこにある。こうやって出世欲を煽り、成果を求め続けてきたわけです。

出世欲をあおって社員を動かす会社は、近い将来潰れます
多くの社員がマネージャーを目指して頑張りました。出世意欲が生み出す達成意欲が業績のベースとなっていました。しかしこのやり方には問題があります。部下とポジションを量産し続けないとロジックが崩壊してしまうのです。

社員にとって「出世できる」と「スキルアップできる」は同じじゃない、と経営側は学ぶべき

実際、組織はそうやって崩壊しました。業績が頭打ちになり組織を拡大できなくなったことで、優秀な社員をマネージャーに抜擢できなくなりました。当然のことながら優秀な若手は辞めていきます。

かつて活躍した(らしい)人がマネージャーをやっている。上が詰まっているのでマネージャーになれない。なれたとしても何年かかることか。それなら成長著しいベンチャーに移ったほうがいい。自分で会社を立ち上げたほうがいい。

育った若手が辞めると業績が下がる。新人を増やしてもすぐに業績は上がらない。しかし採用しないと組織が持たない。進むも地獄、引くも地獄。こうなったら手の打ちようがありません。

出世と引き換えに人を繋ぎ止めてはいけない。これが私の学習結果です。

育った人が辞めても喜んで送り出すのです。本音を言えば社員には辞めてほしくない。しかしこれ以外に方法はないのです。いい人材を輩出することで、またいい人材が集まってくる。いい人材の循環が組織を永続させるのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda2
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について