働き方

中小企業はもう、新卒採用の考え方を変えなくちゃダメ

投稿日:2024年1月15日 / by

<変人・安田の境目コラム>

新卒採用。毎年春に新卒学生をまとめて採る、世界でも珍しい日本独自の制度ですが

社長は新卒採用が大好きです。私にもその気持ちがよく分かります。人生に一度きりの選択で自社を選んでくれる。キラキラした目で「頑張ります!」「この会社が大好きです!」と言ってくれる。真っ白な状態で社会常識や人生哲学を教えることができる。とても気持ちのいいものです。

新人が毎年入ってくることで組織も活性化するし、採用を通じて現社員の自社理解も深まるし、中小企業にはとても理にかなった取り組みです。だからこそ私も中小企業に新卒採用を広めて来たわけです。でも時代は変わりました。

中小企業は新卒採用の考え方を変えなくちゃ
新卒入社した会社で定年まで勤めたい。そう答える若者は大手を含めても3割程度です。もちろん彼ら全員が定年まで務めるわけではありません。状況が変われば心も変わる。もはや就職と転職はセットという時代なのです。

別におかしなことではありません。ひとつの会社に人生を捧げる。22~23歳で採用した人の面倒を定年まで見続ける。こちらの方がよほど歪で無理があります。自分の人生は自分で責任を持つしかない。この当たり前の事実にようやく気がついたわけです。

素養未知数の新卒を雇って、育てて、会社に貢献してもらうという考え方を改めなきゃ

A社では社会人としての基礎を身につける。B社ではこのスキルを身につける。C社ではこういう経験を積む。D社ではこういうポジションで仕事をする。いろんな会社で自分のスキルに磨きをかけ、多くの会社に必要とされる人材となる。人生の安定と主導権を入れる。まともな人材ほどこういう発想になります。

働く側はスキルアップを求める。雇う側は身につけたスキルで利益貢献を求める。Win-winの関係がここに出来上がります。問題は新卒採用した会社です。スキルが身についた時点で辞められると採用&育成の投資コストが回収できません。もはや中小企業にとって新卒はベストアンサーではなくなりました。

それでも新卒が好きだ。新卒採用したい。そう考えるのなら腹を括るべきです。5~6年で卒業させる。これを前提に採用するのです。給料を払いながら育てる代わりに6年間は頑張ってもらう。6年経ったら笑顔で送り出してあげる。新卒にとっての素晴らしい1社目に徹する。これしか方法はないのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
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1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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