働き方

週休3日制は日本の標準になるのか…

投稿日:2015年9月7日 / by

WLB実現の救世主か、休み過ぎなのか…

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拡がる週休3日の最前線

週休3日制への動きがジワジワと広がり始めている。就労側の制約の少ない働き方へのニーズの高まりと企業側の人材確保の要望が合致するなどで、旧来の働き方に捉われないスタイルとして注目が高まっている。その効用や課題、週休3日実現の可能性はあるのか…。その最前線をリポートする。

1万規模対象で実施のインパクト

「ユニクロ」を展開するファーストリテーリングは、10月から地域正社員約1万人を対象に週休3日制を導入する。子育てや介護など、家庭の事情で仕事を続けるのが困難な社員の両立支援が狙いだ。「変形労働時間制」を活用し、1日10時間労働とするため、週4日勤務でも給与面での変更は基本ない。

telework-ed1週休3日制は少しずつだが、取り入れる動きが出始めている。そうした中で、同社の対象者一万人規模での週休3日制導入のインパクトは大きい。もっとも、今後の人口推移を考えれば、週休3日に限らない、柔軟な働き方の導入は、企業にとって必須課題といえる。軽視すれば、優秀な人材の流出リスクが高まるだけでなく、採用面でも苦戦を強いられることになるからだ。

さまざまな形の“週休3日制”

オンラインゲーム開発・販売を手掛ける(株)シグナルトークでは、社員に豊富な働き方の選択肢を与え、人材確保を実現している。働き方を選択できる。「FreeWorking制度」と呼ばれるもので、社員は在宅に加え、週休2日、週休3日、週休4日、さらに業務委託など社員が働き方を自在に選択できる。さすがに給与は、それぞれに差があるが、明確な数値で公平に明細を設定する。

フリーワーキング制度

変態企業カメレオンは、息苦しい社会に対するメッセージも込めて週休3日制を導入する。「きっかけは、水曜日が祝日の日の週がとても快適だったので、だったら制度にしてしまおうというところです。そもそも週休2日制だって、いまでこそ当たり前ですがその前は違ったわけですし…。僕はいろいろな会社のカタチがあっていいと思う。いまの世の中は何かバランスが崩れている気がします。小さい会社ですが何か希望が持てる企業のあり方が示すことができたら」と同社福留社長は力説する。

65歳以降も勤務を可能とする「アクティブ・エイジング制度」を2015年4月から導入する大和ハウス工業(株)は、その勤務形態を週休3日に設定する。経験とノウハウのあるシニア人材だが、体力面等を考慮し、週休3日としている。定年延長は今後も進むことは確実で、こうした方面でも週休3日が広がる場面は増えていきそうだ。

様々な形で、着実に広がる週休3日制。そこには、「週休2日8時間労働」というこれまで当たり前だった働き方に対する疑問のようなものもにじむ。折しも政府は、時間より成果を推奨中。長く働く=高評価が、標準でなくなる時代に、不眠不休はもちろん、長く働くことの価値は、下がり続けている。

ca1週休3日によって、営業日が減る生産性の低下を懸念しつつ、実験的に週休3日の可能性を追求する企業もある。人材サービスのシーエーセールススタッフだ。同社は、週休2日に加え、“自由に勤務できる日”を1日設け、事実上の週休3日を実現している。

この変則的な週休3日について同社では「テスト導入の際には『休み』にしていたのですが、当の休む人間が『申し訳ない気持ちがあって落ち着かない』、『業務が気になる』の声が続出し、改善の末、いまの形に落ち着きました」と説明する。もう一つのポイントが、一定の成績をクリアすれば、という条件付きという点。これにより、営業日減による売り上げ減をリスクヘッジしながら、週休3日を可能にする。

同社の取り組みが“都会流”だとすれば、大分県のモノづくり企業・アキ工作社は、“田舎流”のスタイルで週休3日を満喫し、成果を上げている。国東半島の中山間部にある同社は、2013年から試験的に週休3日制を導入。その理由は「しっかり休み、自然を堪能し、身体感度を高めて欲しい。それが個人のスキルアップにつながり、結果、会社の事業効率を上げることなる」と考えているためだ。実際、制度導入後、社員の仕事への意欲や責任感が高まり、仕事の効率化も進み、予想以上の成果を上げている。

求人サービスは“週休4日”にも着目

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自身も“躍る広報”として週3日勤務を実践する柴田氏

働き方の先端を行く企業でこうした取り組みが拡がる中、時短社員にフォーカスした派遣サービスも誕生している。フルタイム就労は厳しいが、週3日勤務など、時短勤務なら可能という高年収のエグゼクティブを対象とするビースタイルの「時短エグゼ」だ。もともとはしゅふJOBエグゼという名称で運営。売上高が前年比225%と快調で、さらなる拡大とターゲットへの訴求力を強めるべく、2015年7月にリニューアルした。

「第一線で活躍し、スキルや経験を十分に積んだビジネスパーソンが、出産や子育てで働き方を考え直したとき、週3勤務など時短で働くというスタイルにニーズがあることに気が付きました。特に中小やベンチャー企業にとっては、こうした人材を採用するのは簡単ではありません。その不均衡を解決するWin-winのサービスとして時短エグゼは誕生しました」と同社広報の柴田菜々子氏は説明する。

狙い通り、登録者は順調に増え、企業の満足度も上々という。実は、柴田氏自身、7月から試験的に週3勤務で働いている。プライベートで打ち込む踊りとの両立のため、会社に相談。テストケースとして実現した。「迷惑も掛かるので本当は辞めるつもりでしたが会社の理解もあり、業務を精査し、週3日勤務ならこれまで通り可能ということで認めていただきました。会社としても今後、時間でなく成果で評価をしていきたいという方針もあるので、私がしっかりと結果を出さないといけません」と柴田氏は、気を引き締める。いまのところ、順調に週3日勤務をこなし、“躍る広報”として、踊りとの両立を実現している。

実際にどれだけ望まれているのか

holyday1実践者は一様に充実の表情を見せ、導入企業も営業日減少によるデメリット以上にメリットを享受している週休3日制。いいことづくしだが、実際どうなのか…。瓦版でもユーザー300人に週休3日についてアンケートを実施している。その結果は、意外なものとなった。「週休2日&1日8時間労働」VS「週休3日&1日10時間労働」。結果は、53%VS47%となり、僅差で週休2日に軍配が上がった。微妙だが、10時間という労働時間がマイナスに働いたのか、“現状維持”が勝る結果となった。

「多様化」をキーワードに今後、週休3日や時短勤務はますます拡大していきそうだが、浸透のポイントは柔軟性となるだろう。つまり、一律に週休3日とするのではなく、週休3日や週休2日、6時間労働など、多様な選択肢を設け、その中から労働者が自分のライフスタイルに合った働き方を選択できる状態を整備することが重要ということだ。アンケート結果にみられたように、必ずしも休みが多ければいいというわけではない。働く人それぞれにとって、最大限にパフォーマンスを発揮できるスタイルであることが、なによりも重視されるべきだ。拡がる週休3日制への動きは、そうした動きを促進する意味では、大きな意義があるといえそうだ。

パフォーマンス次第で休みは増える

週休3日を進めるためには、やはり一人一人のパフォーマンスの向上が重要となる。仕事におけるパフォーマンスを上げるためには、トライアル・アンド・エラーを何度も繰り返し、ミスを減らすことで仕事の効率を上げていくしかない。一つのミスが起こるとその修正に掛かる時間は2倍にも3倍にも膨れ上がるからだ。

しかし、人はそう簡単にミスを減らすことはできない。人間はミスをする生き物である。ミスをし過ぎると人は落ち込むし、そこから浮上するのが難しくなることもある。所謂、壁にぶち当たるというやつである。そんな時には、こちらの記事を読んでもらいたい。
仕事で壁にぶつかった時には自分自身を知ることで解決策を探ろう
一つの解決策が見つかるはずである。

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