オークションで年収が上がる大胆すぎる転職サービス

書類選考なしで直接キャリアを競り合う転職

ついにキャリアを競りにかける時代に――。（株）Banc（東京都港区、代表取締役：橘真優）は2015年4月24日より転職向け人材紹介サービス「Career Auction」をスタートした。なんと、転職者がキャリアを競りにかけ、年収を競り上げるという斬新かつ大胆過ぎるスタイルだ。

「600万円」、「605万円」、「620万円！」…。ステージに登壇した転職希望者の自己アピールを受け、採用希望企業が、年収をどんどん競り上げていく。まさに、本物のオークション同様の形式で、「キャリアオークション」は実施される。

「当サービスは売り手市場の転職市場において、面接官のスキル不足や年収アップの難しさといった採用現場のニーズに着目し生まれました。お互い書類選考の壁に悩む前に直接会っていただき、『優秀な人材の取りこぼし』を最小限に抑え、企業・人材双方にとっての『思いがけない出会い』をお手伝いします」と同社では実施の狙いを明かす。

実際の流れはこうだ。まず転職希望者がステージに登壇し、自己アピール。その後、質疑応答を経て、興味を持った企業が、年収を競り上げる。転職者は、最高年収を提示する企業と面談に進む。会場内の個別ブースで面談し、互いに合意すれば、マッチング成立となる。面談は、年収提示額上位3位までが権利を得る。

形式としては、かなりの自信と度胸がある人でないと、実力は発揮しづらいかもしれない。とはいえ、書類選考はなく、純粋に等身大のキャリアを評価してもらえるので、直接、担当者にアピールしたい人にはうってつけのスタイルといえるだろう。アップ交渉の難しい年収も、仕組みで上がるのは転職希望者にとって好都合だ。

企業側にとっても、書類選考で「取りこぼす」リスクがなく、独特の舞台で、転職希望者の実力をしっかりと見極められるなど、優秀な人材と出会うには適したシチュエーションであり、活用のメリットは大きそうだ。

人口減少に加え、景気回復ムードもあり、転職市場は買い手から売り手市場へとシフトしつつある。そうした中、昨今は、優秀な人材の獲得支援に様々な就活スタイルが勃興している。いづれも一長一短はあるが、キャリアを競りにかけるという大胆不敵な同サービスは、イケイケ系の個性あふれる人材獲得にはフィットした就活スタイルといえそうだ。