働き方

創造的に仕事に取り組む働き方とは

投稿日:2015年11月20日 / by

単調と創造的の「交差点」にあるもの

「単調」、「つまらない」の対義語のように使われている「クリエイティブ」という言葉。前者が事務や営業、マーケティングといったビジネスサイドで、後者はエンジニアやデザイナーなどのモノづくり携わる者、という無言の線引きもあるように思える。果たして本当にそうなのだろうか。TWDW2日目の11月19日のセッションでは、型にはまらない働き方を実践する3人が登壇し、「ビジネスとクリエイティブが交差するところ」をテーマに「働く」を深く掘り下げた。

事務作業、資料作成、営業、ミーティング…。いわゆるビジネスサイドの仕事はルーティン化しやすく、クリエイティビティはあまり感じられない。ひいては、やる気ややりがいが薄れ、仕事そのものの興味が失われたりすることにつながることもある。だが、クリエイティブな仕事も仕事には変わりはない。地味でも仕事なのだから創造的であってもいいはずだ。

「ビジネスサイドであっても仕事はクリエイティブにできると思います。プロとしてより良くすることを追求するスタンスで取り組めば、そこには新しい発見もあり成長にもつながっていく。いかに表現し、いかに伝えるかなど、日々の作業を工夫することはそれ自体創造的なことだと思うし、うまくいった時に大きな喜びがある」とエバーノート・マーケティングディレクターの上野美香氏は力説する。

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デザイナーであり、エンジニアであり、ストラテジストというクリエイティブの権化ともいえる久下玄氏は、「僕はもともと家電メーカーのイチ工業デザイナーでした。でも、デザインするだけでは売り上げにはつながらない、それで必要なことはなにかを辿っていろんな勉強をしているうちにいろんな縁もあって今に至っています」と明かした。この話から分かるのは、会社で枠にはまって規律正しく仕事をするだけでは、どんな仕事も単調のままで、一定の枠に収まる無難なものにしかならない、ということだ。

メディアプランナーで舞台映像演出家の谷田光春氏は、好き勝手にやり過ぎて枠を飛び出し、というよりもハミだし、勢いでクリエイターになったクチ。いかにも“クリエイターらしい”キャリアではあるが、本人は「失敗だらけ」といまは猛省する。その上で「好きなことだけやっていくのは自己満足の追求でしかない。足りないものを常に追求し続ける。それがクリエイティブだと今は思っていて、そこを磨くことに注力しています。とてつもなく地味なんですよ」と紆余曲折を経て辿り着いた創造性についての持論を展開した。

常に枠から飛び出す姿勢が重要

3人はいずれも大企業勤務を経て、自分の得意領域を武器に枠を飛び出し、現在地に辿り着いている。自然の流れであったり、本能のおもむくままであったり、きっかけはそれぞれでも、現状に対する強い疑問を持ち続けるという点では、一致している。久下氏などは、会社員時代に就業規則に会社設立禁止の項目がないことを、正面から人事部に確認し、その上で就業中に会社を設立している。思うだけでなく動く。単調な毎日に不満を感じているなら、その前にまず一歩踏み出すことが何より大切といえるだろう。

ビジネスパーソンなら、現状への不満や疑問は多かれ少なかれ抱いているだろう。それにどう対処するのか…。仕事が単調でつまらなくても我慢してやり続けるのか、工夫して楽しむのか。もっとスケールの大きなことをしたいと思っても我慢して現状をキープするのか、リスクをとって動くのか。実は、日々通過しているビジネスとクリエイティブの交差点で何をするのか。仕事の本当の価値を決めるのは、それにかかっている。ブレーキを踏むか、アクセルを踏むか。その判断をするのは、結局は自分でしかない。

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