働き方

企業が伸び悩む、分かっているけど触れ辛い原因

投稿日:2015年9月11日 / by

『新しい働き方の教科書』<Lesson3>

なぜ企業は弱体化したのか

cw01産業構造が大きくシフトする中で、なぜ企業は弱体化してしまったのか…。人口減少の対策は、グローバル化で実施した。斬新なアイディアや企画はこれまで以上に実現している。やるべきことはやっているのになぜ?

確かに企業は、右肩上がりの時代と比べ、よりハードワークし、質も向上している。だが、ビジネスモデルや商品サイクルが、反比例するように短命化しているのだ。せっかくの斬新企画もわずか1年後には他社に真似られ、陳腐化。せっかくの新事業モデルも、わずか2年で失墜…商品や事業モデルのサイクルがあまりに高速化したことで、果実を得る前にブレーキがかかってしまう。

こうなると、企業は消耗戦を強いられる。加えて、優秀な人材がいなければ、すぐに置いて行かれる。無理に追随し、模倣に走れば、企業ブランドが失墜する。市場の飽和により、これまで以上に商品力が求められるだけでなく、そのサイクルが縮まっているのだから、企業が疲弊するのも無理はない。

ここで一度立ち止まれば、どうすべきなのかがおぼろげながらみえてくる。それは、「いまの組織体制では難しい」ということだ。めまぐるしく変わる市場環境に正社員を軸とした固定メンバーだけで対応していては、さすがに限界がある。よりオープンに、そして緩やかに、広くつながるパートナーシップが、このビジネス短サイクル時代には適している。

必要となる組織の抜本改革

それを実現するためには、まず、正社員という契約形態を見直しする必要が出てくるだろう。これまで以上の女性の積極活用も重要となる。オフィスでの仕事にこだわらず、リモートワークによる柔軟な働き方の導入も視野に入れるべきだろう。高齢者の経験も活かせるのではないか。外国人の知見もあったほうがいい…。皮肉なことに、考えるほど、これまでの会社の枠組みがいかに窮屈だったかが、浮き彫りになる。

企業が変わるのは簡単でない。だが、それも考え方次第だ。単純にトップが変わることが分かりやすい。時代に見合った人員を選出し、柔軟に変化に対応する。まずはそこから着手し、過去に縛られず、しっかりと時代にマッチした方向性を示すことがファーストステップだろう。難しいのは、既存社員の資質を活かせないシフトとなる場合だ。

まさに希望退職の必要に迫られる場面といえるかもしれない。ここでどう判断するか。なんとしても人を切らずに乗り切るのか、バッサリ切って大胆にシフトのかじを切るのか…。この判断は、究極といっていいかもしれない。どうしても切らねばならないなら、それは、事実上、これまでの会社とは決別する覚悟が必要だろう。なんとしても残すなら、当面の赤字は受け入れざる得ないだろう。分岐点は、5年後がみえるか、ではないだろうか。

◇ポイント
【企業の発展は、もはや生え抜きだけでは不能の時代に】

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