働き方

次世代の雇用のカタチはどうシフトしていくのか

投稿日:2015年7月31日 / by

雇用のカタチはどうシフトしていくのか

contract激動する雇用のカタチは果たして、今後どう展開していくのか。形態だけでみれば、正社員の縮小と深化だが、より大きくは、会社間の壁がなくなる方向へシフトしていくと予測する。

どういうことか。1つの会社に所属するという契約形態でなく、いくつかの企業と業務委託契約を結ぶ形が主流になるということだ。もっと正確にいえば、会社との契約でなく、プロジェクトのメンバーとしての契約ということになる。会社間の壁がなくなるというのは、そういうことだ。

ちょっとシミュレーションしてみよう。例えば、デザイナーAさん。彼はいま、Bという会社のCプロジェクトに参画している。そのためにB社と業務委託契約を交わしている。並行して、D社のEプロジェクトにも参画している。フリーランスに近いが、Aさんが、B社とD社と結んでいるのは、実質的にはフルタイムでこそないものの、社員に準ずるの契約となっている。

従来の正社員という雇用形態では当然、AさんはB社、D社との複数契約は不可能だ。だが、深化した社員契約では、業務に支障をきたさない限りにおいて、複数契約は可能。企業にとっては、有能な人材を確保しつつ、効率的な人件費の使い方になり、社員にとっては能力を最適の場で最善のタイミングで存分に活かすことができる。両者にとってウィンウィンの形といえる。

こうした形が主流になると見込む背景には、もちろん、人口減少の影響もある。優秀な人材の争奪もいいが、それよりもうまくシェアすることの方が、有益だからだ。競争の時代は終わり、もはや共創の時代。徒な人材争奪戦は、無用なコストこそ増大させても、見合ったリターンは生みださない。限られた資産を最大化する。それが次世代の働き方では、キーのひとつとなる。

様々な壁がなくなっていき、個の力が重要性が増す社会に

安定の象徴だった終身雇用が消失し、会社との契約からプロジェクトとスキルホルダーとしての期間限定契約となり、定年という概念もなくなるーー。正社員が絶滅することはないだろうが、雇用=正社員というカタチはある意味で特殊となり、企業の本当のコア部門を担う人材だけが結ぶ契約ということになるかもしれない。

多様な雇用形態の中で、各自が生活環境にマッチした契約形態で働く。要するに今後の雇用のカタチは、選択肢が増加し、各ビジネスパーソンにと手の最適化が進むということだ。水が上流から下流に流れるように、環境の変化に適応するように自然な形で変質する。それは、単に正社員がなくなるという側面でみるような単純なものではない。

いずれにせよ、次世代の雇用では、報酬も月給制でなく、健全な形での“成果型”が主流となるだろう。つまり、個々のスキルに応じたあらかじめ提示された仕事とそれをこなす形だ。一方通行から、ある意味の相互依存型。それが成熟した雇用のカタチの理想形であり、今後、そうした方向へ緩やかに着実にシフトいくことになるだろう(了)。

 

◇これまでの雇用シフト

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