働き方

クラウドソーシングの真の発展のために必要なこと

投稿日:2014年12月15日 / by
リアル対面がないことによるリスクをいかに補完する体制を整えるかが問われている

リアル対面がないことによるリスクをいかに補完する体制を整えるかが問われている

課題を抱えながらも順調に拡大するクラウドソーシング。だが、評判は必ずしも良くはない。多くの意見は、「スキルが低い」といういもの。根本のスキルはもちろん、コミュニケーション能力が低く、それが多くのトラブルの火種となっている。

対面なしで仕事のやり取りをする仕組みを考えれば、コミュニケーション能力が低いことは大きなマイナスとなる。対面でも簡単でない場合があるだけに、発注者のイメージに近い納品物ができあがるためには、互いがしっかりと意思疎通しなければ話しにならない。

「出来が悪いからお金は払えない」、「指示が悪いからいいものがつくれない」。受発注双方がそうした言い分をぶつけ合えば、残るのは甚大なストレスと不満だけだ。ひいては、直接的に責任がなくともクラウドソーシング事業者への不信感へもつながってしまいかねない…。

「トラブルが表面化しつつあるクラウドソーシングですが、問題を起こしているのは発注側だけではありません。悪質なワーカーに依頼した為に被害に遭ったというクライアントも同じくらいいると思われます。対策としては、好ましくない受・発注者達への対処ルール作りということになるでしょう」と東工大比嘉教授は忠告する。

ネットの利便性を活用し、不特定多数の叡智を結集するクラウドソーシング。それゆえに、集まる“叡智”が玉石混交となるのは宿命といえる。だが、自然浄化を待つのみでは、拡大の機会を大きく逸してしまいかねない。入り口の審査をタイトにするのか、トラブルがあった場合に厳罰を用意するのか…。いずれにせよ、クラウドソーシング協会が中心となっての、業界統一のルールづくりが早急に求められるところだ。

現状では、トラブルへの対処というよりも、その予防策へ各社力点を置いている印象だが、抜け道はいくらでもあるだけに、まずは好ましくない利活用者に対するルールづくりを優先すべきかもしれない。すでに、その利便性を認めつつも、「簡単な仕事しか頼めない」という声も多い。それでなくともネットサービスの宿命で悪評が拡散しやすい側面もある。

比嘉教授は「クラウドソーシングのサイトを「出会い系」サイトと同列に語る人達がいます。それが広まってしまう(つまり、風評被害)ことが一番気になるところ」と懸念している。上場する企業が出始めるなど、拡大基調にある中で、クラウドソーシングはいま、健全な発展を遂げる上で、重要なターニングポイントを迎えている。

 

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